まいぷれ長野の少し役立つコラム
〈国立成育医療研究センターの報告書から〉

画像:msk/イラストAC
コロナが騒がれ始めてから1年と10ヵ月。子どもたちの心に大きな影響を及ぼしてきました。昨年は、学校の突然の休校に始まり、卒業式、始業式、修学旅行、遠足、運動会と学校行事が軒並み中止となりました。今年度では、登校はできるものの大声で騒ぐことや、給食は黙食と様々な自由が奪われました。こんなに長く異常と言える状態が続くことは、子ども達の心に与えた影響は計り知れません。
これまで、このコラム欄で5回に渡りコロナ禍で過ごしている子どもの心の問題を国立成育医療研究センターの報告書を通して皆さんにお知らせしてきました。今回は第5回アンケート(令和3年2月~3月)結果で、子どもたちが自分たちで工夫しながら実践したストレス解消法についてホームページで公表されたので、お届けします(→第5回【コロナ×こどもアンケート】こどもが考えた「気持ちを楽にする23のくふう」)。
題して「こどもが考えた気持ちを楽にする23のくふう」です。
1.誰かに話す、聞いてもらう
2.声に出す
3.書き出す
4.絵を描く
5.歌う、音楽を聴く
6.本やマンガを読む
7.動画を見る
8.ゲームをする
9.遊ぶ
10.運動する、体を動かす
11.物で発散する
12.リラックスする
13.寝る、布団にくるまる
14.抱きしめる、甘える
15.外出する 場所を変える
16.考える
17.考えない
18.好きなことをする、何かに打ち込む
19.食べる、料理する
20.泣く、笑う
21.自然に触れる
22.その他
23.あなたのくふう
皆さん、これを読んでどんな感想を持ちましたか? そうそう、あるあるとか、へぇ~なるほどと言った感想を持ったのではないでしょうか。
1~10は、声を出して気持ちを誰かに伝えたり、大声で叫んだり、また見たり・聴いたり・感じたり、体を動かしたりと、視覚・聴覚・体感等の感覚を駆使してモヤモヤを晴らす。大人も同じようにストレスを発散しますよね。
ちょっと気になったのは11の「物で発散する」です。この内容は、モノに体当たりする・枕を叩く・何かを思いっきり噛む・家に帰ってマスクを思いきり破り捨てる・何かに八つ当たりして力いっぱい叩く・練り消しに鉛筆をブスブス刺す 等でした。これらの行動は負の感情をそのまま行動に表しているように思えます。とても心配な回答です。こうした行動で、モヤモヤした感情が発散されるのであればいいのですが。
14は小学校低学年の子どもに多かった回答です。不安な感情を素直に周囲の大人や兄姉に抱きしめられたり、またはペットを抱きしめたりできる環境であることが何とも微笑ましいですね、いかにも子どもらしい解答でほっとしました。
16・17は相反することのようですが、実は表裏一体。16の考えるは、楽しかったこと・良かったことを思い浮かべて気を休めること、17は逆に何も考えず無にすることで気持ちを落ち着かせるということです。
20は感情を素直に表現することで、不安を解消します。泣くこと、怒ることは一見負の感情のようにみえますが、その感情を表現できることは実はとても大事な事です。自分1人では乗り越えられない位の大きな困難を受けたとき、人は感情麻痺を起こすと言われています。自分を守るために負の感情を無意識に遠ざけ自分を守るのです。泣いたり、笑ったりできることは、むしろ大事かもしれません。
22はあまりストレスを感じないとか、いつも通りに過ごしていると言った回答でした。23の欄は特に回答は有りませんでした。これを読んだ子どもたち一人一人の自分の工夫を書く欄のようです。
実はこれ以外にとても深刻な回答がありました。それは、「自分で自分の体を痛めつける」、「自傷行為をする」、「死を考える」というものです。子どもたちの、「助けて!」という叫び声が聞こえてきます。大人以上に悩み苦しんでいるのかもしれません。ただその気持ちをこのアンケートにぶつけてくれたことが、せめてもの救いです。コロナは自然災害です。誰にも責任はありません。でも自粛の繰り返しで、大人の都合で子ども達を縛りつけようとする。それが内に向かったとき、自分の存在を否定してしまいます。
第4回のアンケートで(2020年11~12月)小学4~6年生の15%、中学生24%、高校生30%に「うつ症状」が見られると報告がありました。もちろんそのまま「うつ病」に移行するということではありませんが、この数字は看過できません。
2021年7~8月に第5波と言われた大きな波がありました。ワクチン接種が進み感染者が減少したため、10月に入って全ての地域で緊急事態宣は解除されました。しかし必ず第6波が来ると危惧されています。
今年9月、第6回目のアンケートが実施されました。多分11月頃にはその結果が公表されると思います。どんな結果が出るのか、注意深く待ちたいと思います。少しでも子ども達の心の状態が改善されていることを祈らずにはいられません。
参考:国立成育医療研究センター コロナ×こども
【国立成育医療研究センター報告書関連コラム】
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