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こども食堂のおばちゃんのコラム

コロナ ― こどもたちどんなこと思っているのだろう?

〈国立成育医療研究センターアンケートから〉

画像:麦/イラストAC

国立成育医療研究センターでは3回に渡り、子どもとその保護者に、コロナ禍の状況下で子どもたちに何が起こったのか、どんな影響がもたらされたかについて、アンケートを実施していました。(→第1回第2回第3回)その結果報告が公表されましたので、今回はその報告書を基に考えてみようと思います。

 

第1回目のアンケートは4月30日~5月31日まで実施され、7~17歳の子どもおよび0~17歳の子どもを持つ保護者が回答。その数、子ども2,591人、保護者6,116人で、併せて8,707人。子ども・保護者両方は1,366組。アンケート調査はちょうど緊急事態宣言の真っただ中から始まり、5月14日に解除されたものの、学校はまだ休校状態の時期でした。

 

第2回目は6月15日~7月26日、子ども981人、保護者5,791人合わせて6,772人の回答でした。緊急事態宣言解除から約1ヶ月が経ち、コロナ感染者が減少していた頃です。学校も徐々に再開されていました。第2波が起こる少し前の一息ついた頃です。

 

第3回目は9月1日~10月31日。2ヶ月間という長い調査期間となりました。この期間は第2波が下火になり「少し落ち着いたかな」と思ったのも束の間、第3波が起こり始めた頃です。子ども2,111人、保護者8,565人、併せて10,676人と最多の回答数となりました。子ども・保護者両方での回答は1,597組でした。

 

今回は、第1回のアンケート結果から気になった質問とその回答について考察してみます。ただ、その前に長野市を含めた全国の状況を振り返ってみましょう。11月に入って全国的に急激に感染者が増加。長野市でもクラスター発生で多くの感染者が報告され、警戒レベル4になりました。12月に入り感染者が若干減少し始め、警戒レベルが3に引き下げられました。ただし全国レベルでは日ごとに感染者が増加しています。再度の緊急事態宣言発令も視野に入ってもおかしくない状況です。

5月のアンケートで、「困りごとは何か?」の質問に一番多かった回答が「友だちに会えない事」でした。これは全ての年代(小1~高校生まで)でそう答えています。いかに友人と会うことが子どもたちにとって大事なことか改めて判りました。また友だちとの連絡方法は、中高生はラインなどのメッセージが圧倒的に多く、中学生は66%、高校生は80%でした。「声だけの電話や顔が見える電話で話した」がそれに続きます。その逆に、小学生は「会ったり連絡を取ったりしていない」と答えた子が約半数でした。興味深いのは、「会って話をした」の回答が小学生で2割以上、中高生は2割以下で、連絡ツールを自在に使える世代は実際に会う事よりツールでの繋がりを持ち、ツールを使いこなせないまたは自分専用のツールを持たない小学生は実際に会うことを選んでいます。

ストレス反応に関するアンケートでは、何らかのストレスがある子が全体の75%でした。当てはまるストレス反応を全て選択してもらう、というアンケート形式です。

 

「コロナの事を考えると嫌な気持ちになる」が小学校低学年で47%、「最近集中できない」という子が小4~高校生で40%以上いました。「すぐイライラする」と答えた子も全年代で30%前後という結果でした。気になるのが、「誰かと一緒にいても自分はひとりぼっちだと感じる」という項目に小1~3で18%がそう答えています。また、「自分の体を傷つけたり、家族やペットに暴力をふるうことがある」には小1~3で16%小4~6で10%という結果が出ました。高い数字ではありませんが、そういった子どもが一定数いるということは看過できません。そして保護者の59%が、「子どもがすぐイライラしたり怒る場面ではないのに感情を爆発させたり激しい癇癪を起したりする」 と回答しています。この他にも、「子どものストレスが1ヵ月以上続いている」が24%、「家庭での生活に支障がある」が31%に上りました。いかに子どもたちの心に暗い影を落としているか、コロナがもたらした影響の深刻さが判ります。

親子関係についての質問では、子どもは「親と一緒にいると安心」が78%、小学生では80%がそう答えています。「なんでも相談できる、わかりやすく説明してくれる、気持ちを分ってくれる」が平均約50%でした。これは子どもの年代が低いほど高い数字です。この数字は、前述の裏返しとも言えます。

 

逆に親子関係で好ましくないことは、子どもから見て「怒鳴られる」が最も多く小1~3が23%、小4~6が15%でした。保護者の回答で、「子どもに感情的に怒鳴った」が49%。家庭内でコロナによる間接的な親子関係の悪化が見えてきます。

 

最後にアンケートで「子どもたちの声」が掲載されているので、気になる声をお届けします。

・友だちについて

友だちと会う時間がほしい。分散登校も友達と話せないなら意味ないと思う。学習も大事だけど私たちから友達との時間を奪わないで欲しい。早く友達に会いたい。

 

・学校について

早く学校に行きたい、引きこもりになってしまいそうで怖い。

 

・学校行事について

ただ生徒の思い出になるだけでなく、社会に出る上で必要なことを学べる機会だと思う。勉強だけでなく社会性を学ぶ機会を奪わないで欲しい。6年生の最後の行事がたくさんあったはずの2週間を潰され、卒業式もまともに出来なく、学校に行けない子どもたちの気持ちや精神面を考えて欲しい。もう限界です。

 

・大人たちの政治・政策について

大人たちは子ども・学生の事をもっと考えて欲しい。政治をする人は人の気持ちを理解できる人たちですか?

このように辛辣な意見もありました。これらは、アンケートのほんの一部ですが、子どもたちは子どもたちなりに苦しみ、傷ついていることに改めて考えさせられました。

私たちほっとキッチン/無料学習塾は、4月に1回休止しましたが、5月の緊急事態宣言解除後は月2回開催しています。調理・会食は当分の間お預けで、午前中の1時間半だけ学習支援をしています。そこで実感したことは皆で集うことがいかに大切かという事です。学習時間が終了しても、アレコレと雑談に花が咲いています。さっさと帰る子は一人もいません。そして皆とてもにこやかで、素敵な笑顔を見せてくれます。帰るときは、なんとなく別れを惜しむような雰囲気さえ漂ってきます。「またね!」それが皆の合言葉。

 

コロナ感染を考えると、休止した方がいいのかもしれません。でも、子どもたちの無垢な笑顔を見ると、もう少し頑張ろう!と思わざるを得ません。年代を越え、顔と顔を合わせ人と人が交わること、これは子どもたちが大人になっていく過程で絶対崩してはならない一コマだと痛感しています。

 

子どもたちはとても傷つきやすく、とても薄い透明なガラスのような心を持っているように思います、ほんのちょっとしたことで割れて粉々になってしまう。元に戻らない危うさもあるような気がします。私たち大人も何十年か前は同じような心を持っていたはず。いつどこで無くしてしまったのでしょう。子どもたちから色々なことを学びつつ、子どもたちとこれからも一歩一歩共に歩んでいきたいものです。

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