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こども食堂のおばちゃんのコラム

全国こども食堂 アンケート結果から見えてきたこと

写真:PIXTA

2021年10月~12月まで、認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえで、コロナ禍の中での全国のこども食堂の実態調査が行われました。今回はその報告をします。

 

2020年全国のこども食堂開設数は4,960ヶ所でしたが、2021年には6,014ヶ所(2022年2月10日現在)に増加、1,054ヶ所増えました。

 

これはコロナ禍の中で増加した数です。この2年間、三密を避けることが推奨されて来ました。単純に考えると、こども食堂は皆で楽しく食事をする場なので休止を余儀なくされ、減少しているはずです。

 

しかし、前年度より約2割も増えました。なぜ1年で1,054ヶ所も増えたのでしょうか?その要因として、下記の理由をむすびえでは推察しています。

1.ソーシャルディスタンスを求められたからこそ、「つながろう」と意思する人が多数いる

2.子どもたちの居場所が減少していくことに危機感を抱く人が多数いる

3.エッセンシャルなもの(命・暮らしに不可欠なもの)を見直す機運の高まりで身近なところで感じられる安心感の創出に人々が敏感になっている

4.SDGs等持続可能性に対する問題意識の高まりで、こども食堂に地域の持続可能性を高める効果を見出す人々が増えている

このような理由から見えてくることは、コロナ禍だからこそ子どもたちが安心して集える場所の確保が必要で絶対孤立させないと、大人たちが切に望んだ結果だと言えそうです。

 

では、県別ではどんな現象が現れているのでしょうか?

 

県別の増加数を見ると、トップが兵庫県127ヶ所、東京126ヶ所、大阪113ヶ所と大都市圏がトップ3です。増加率でみると、徳島県73.9%、宮城県67.7%、福島県58.3%がトップ3です。

 

増加数トップの3都府県は大都市圏なので、人と人との繋がりに危機感を抱き、こども食堂で繋がろうと大人たちの強い思いの結果だと推測できます。

 

一方で増加率のトップについては、大都市圏から離れた地域なので、残念ながら共通点が良く分かりません。コロナ禍以前ではむしろこども食堂数が少ない県だったため、極端な食堂数の増加がなくとも増加率が上がったのかも知れません。

 

因みに長野県では2022年2月現在で160ヶ所(県次世代サポート課の報告)開設されています。これは2020年と比べて5ヶ所増えました。増加率で言えば3%になります。箇所数は全国で13番目の多さです。

次に、むすびえでは各県の県内の小学校区での充足率について調査しています。

 

充足率は、県下の小学校で、こども食堂が「ある」小学校の比率を示したものです。1つの小学校区内に複数のこども食堂がある場合でも、「ある=1」というカウントになります。そのため、個々の小学校区内にこども食堂があるのかないのかを可視化しています。

 

全国平均は22.1%。トップは沖縄県52.8%、2位は滋賀県47.7%、3位が鳥取県42.74%となっています。最下位は秋田県9.3%、島根県10.15%、岡山県10.16%でした。充足率の高い県について正確な理由は不明ですが、一つ仮説を立てるとすれば、行政がこども食堂開設に積極的に関わっているのかも知れません。

 

長野県のこども食堂の充足率は31.18%で全国9番目の高さです。また、人口比(10万人あたり)でみると、7.34箇所で全国7番目に多い箇所数となりました。全国平均は5.31箇所です。長野県の大人たちの子どもへの熱い想いが伝わってくる数字です。

現在、全国で6,014ヶ所開設されていますが、その主な目的は「子どもの居場所作り」だけでなく「多世代交流の場」として機能していると答えたこども食堂が約6割だそうです。また約9割のこども食堂が、参加者は自治体住民に限っていないという結果も報告されました。

 

こども食堂は当初、子どもの貧困対策という位置づけで報道される傾向が強かったと思います。こうして実態調査をすると、生活困窮家庭限定で実施している食堂はわずか5%にすぎないこともわかりました。今では「多世代~食を通して皆が交流できる居場所」が一番近い表現と言えます。

 

こども食堂を運営している者として、一つ伝えたいことがあります。「こども食堂=貧困対策」ではありません。ただし、皆が集まって食事をして「楽しかった」だけで終わってしまうのは、ちょっと違うような気がしています。

 

私たちは貧困に限らず、様々な問題を抱えている子どもたちを、本気で心配している大人たちがそっと寄り添える場にすることを目標としています。

 

県内で160ヶ所のこども食堂が現在開催されていて、それぞれ特徴があります。大勢集まることに重きを置き、ワイワイガヤガヤと多世代で賑やかに過ごす食堂もあれば、少人数だからこそ一人一人と向き合いことが出来、その日のその子の様子を見ながら、寄り添い見守り、時には子どもたちの話に真剣に耳を傾けることに喜びを感じるスタッフがいる食堂もあります。

 

どちらが良いと言うのではなく、それぞれの特徴を備えたこども食堂がブームを超えた居場所であり続けて行くことが、とても大事なことと考えています。

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長野市で中高生・若者(10代)を対象としたこども食堂を運営しています。

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