まいぷれ長野の少し役立つコラム

画像:いちごいちえ/イラストAC
9月このコラム欄で子どもへの虐待について報告しました(→「令和2年度 児童虐待速報値」から考えること)。その中で、性的虐待の件数が2,251件(全国)で前年比1.1%増でした。
この数字は他の虐待と比較すると、さほど増加傾向は大きくありませんでした。しかし、決して看過すべき数字ではありません。
世の中が落ち着き、生活が安定すれば親たちのイライラが減少し、その結果一番弱い立場の子どもへの身体的・心理的暴力は減少するでしょう。しかし、性的虐待は残念ながら社会が改善方向に向かっても、必ず一定数起こります。
子どもへの性暴力問題の最も重要な点は、被害者が自発的に被害を訴えられない事です。特に小さな子どもだと何をされているのかわかりません。
以前、幼少時に被害に遭ったという方の話をお聞きする機会がありました。当時は何をされているか理解できず、思春期なって漸く被害に気付き、初めて深く傷つき、そこから引きこもりになってしまった。もちろん親にも誰にも話すことが出来ず、一人で抱え込み社会に出ることが怖くなってしまった、というのです。
では、被害にあった子どもは、具体的にどんな状態になるのでしょうか?
被害者が小さな子どもで繰り返し虐待を受ける環境にあった場合、「性的虐待順応症候群」と言われる反応を示します。そして「グルーミング」と言われる行動、つまり加害者が徐々に子どもを精神的に支配していくプロセスが生じます。
まず、加害者による体を触るという行為があり、徐々にエスカレートしていきます。幼児期に被害を受けたとき、何が起こっているのかわからないので、抵抗する事が出来ません。思春期になり性的虐待が理解できるようになると抵抗を試み、何故このような行為をするか尋ねますが、聞き入れられず虐待は継続されます。そこで、無力感や諦めることで感情麻痺が起こり、日常から切り離される感覚を味わいます。
虐待から逃れられるのは、物理的に離れて生活するか、第三者に開示・介入してもらい支援を受けることで、漸く虐待から解き放たれるのです。
この間、子どもは親に心配かけたくない、むしろ言わないことで身を守るという選択をするそうです。たとえ虐待から逃れられたとしても、心の傷は深く残っています。回復するには長い道のりがかかります。回復のために一番重要なことは、信頼できる相談先と相談できる人の存在です。
2017年、「監護者性交等罪」及び「監護者わいせつ罪」という法律が新設されました。
これは実親、養親、養護施設の職員等、実際に18歳未満の子どもの生活を支える人による猥褻行為に対する罰則です。今から4年前に漸く法律が出来たのです。
長野県では平成28年「長野県子どもを性被害から守るための条例」が施行され、被害者支援として「りんどうハートながの」が設置されました。相談件数は年々増加、令和元年の相談件数の44%が20歳未満でした。今我々が住んでいる長野県でも実際起こっている被害です。
今年7月、朝日新聞で子どもへの性暴力の特集が組まれました(2021年7月17日付け)。
そこには加害者として、教師・保育士・医師・スポーツ等の指導者・聖職者・児童養護施設職員・里親 が挙げられています。
また、フランスでは70年の長期にわたり、カトリック教会の聖職者約3,000人が約21万人の子ども達に性的虐待を加えて来たとの報告書が公表されました(10月6日付 朝日新聞記事より)。この膨大な数字は、俄かに信じがたいものです。国を問わず、昔から子どもへの性暴力が繰り返されてきているのです。
被害の特徴として、尊敬・信頼している人からの行為なので被害と認識しにくい、訴えにくい、被害が継続しやすい、恋愛や「自分のため」と思い込まされる、断わり難い、抵抗するのが難しいと言われています。この新聞記事には取り上げられていませんが、加害者が親兄弟・親族と訴えた被害者もいました。これは最も深刻な状況下で行われる犯罪です。
子どもはなかなか自分の口から被害を話せませんし、身近にいる大人もそこまで気づかないことが多いのです。では、どんなサインが出た時、大人は疑ってみれば良いでしょうか?
1.大人に反抗する
2.頻尿・おねしょ
3.落ち着きがない
4.よく眠れない
5.拒食・過食
6.性的な言動が目立つ
7.自殺願望・自殺企図
8.極端な自己否定感を持つ
9.感情のコントロールができない
10.頭痛、腹痛、吐き気などの体調不良
11.ペットをいじめる
12.リストカットなどの自傷行為を繰り返す
13.非行行為を繰り返す
14.友だちと頻繁にトラブルを起こす
15.ぼっーとしていることが多い
こうした症状が見えたら、まずおかしいなと疑問を持ってください。なかなか本人の口からすぐに被害について語られることは無いかも知れません。でも常に気にかけ見守っていれば、いつか胸の内を語ってくれる時がきます。この人に話しても大丈夫と信頼してもらうことが一番です。そして専門機関に繋げることで、被害に遭った子どもを一刻も早く救うことが急務です。
前半で述べたように性暴力を受けた子どもは、一生その傷を背負っていかなければなりません。ですから予防が最も大切です。しかし不幸にも被害に遭ってしまったら、周りの大人がすぐに気づき、回復の第1歩へと早期に導くことが、その子の将来に一筋の光を照らすことになるはずです。
それが我々大人の役目なのです。
【参考資料】
「性暴力被害の実際」斎藤梓、大竹裕子編著/長野の子ども白書2018年版/長野県県民文化部資料「りんどうハートながの 相談件数」/朝日新聞7月17日・10月6日
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