まいぷれ長野の少し役立つコラム
国内で初めてコロナ感染者が出てから1年が経ちました。今回のコラムでは、コロナによる社会状況の変化とこども食堂がどのようにして取り組みを続けてきたのかを1年を通して振り返ります。
2020年2月下旬、当時の安倍首相が感染拡大防止のため、イベント等の自粛と小中学校の一斉休校要請を発表しました。現場の小中学校では3学期の終業式を待たず休校となり、卒業式もままならない状況でした。子どもたちは、大人に言われるがままの状態で自宅での自粛が始まりました。4月には緊急事態宣言が発令され、学校は始業式もなく休校が5月まで続きました。コロナの実態が解明されていない頃で、最悪の事態を想定した方策だったのだろうと推察されますが、子どもたちにしてみれば訳も分からず、ただただ大人の言った通りに従うしか出来ませんでした。
長野市およびその周辺で開催しているこども食堂は、2月から3月にかけ、ほぼ通常のこども食堂は実施出来なくなり、各食堂は熟慮の末、やむを得ず休止または弁当配布に切り替えました。
「輪っと集まれ!中高生・若者ほっとキッチン・無料学習塾」も4月上旬まで通常通り月2回の開催、緊急事態宣言中は休止、5月の緊急事態宣言解除後、調理・会食はしばらくお休み。学習支援とフードパントリー・弁当配布に切替え、頑張って月2回開催を維持し、今に至っています。
全国でも、これまで開催してきた食堂はほとんどが通常通りの開催は出来なくなってしまいました。
そのような状況下で2020年10月~12月に調査をしたところ、全国で4,960カ所のこども食堂が確認されました。2019年6月時点で3,718カ所ですから、1年半で1,242カ所増えたことになります。そして2020年2月以降コロナ禍の中で少なくとも186カ所新設されたそうです。(以上NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえHP より)
長野県では2020年10月には全県で155カ所開設されています。2019年では80カ所となっていますから約倍近く増えたことになります。(調査機関:長野県みらい基金。NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえHPより抜粋)増加の詳細は不明とありますので、実態はよくわかりません。
私見ですが、学校が休校になり子どもたちの行き場所がごく限られる中で、何とか子どもたちが安心して集える場所の必要性を地域の大人たちが切実に感じ取り、各地でこども食堂が立ちあがっていったのではないでしょうか。子どもたちを地域で守りたい、行政だけに任せておけない、と感じたのかもしれません。
こうした中、「全国こども食堂支援センター・むすびえ」が中心となり、各企業から様々な物資が全国のこども食堂に寄附されました。レトルト食品、菓子類、弁当容器等、こども食堂を続けていく上で無くてはならなものばかりです。
ほっとキッチンも色々な食材をいただきました。12月には大量にマスクもいただきました。食材袋に毎回10枚程度入れて配っています。仲間の複数のこども食堂に差し上げることも出来ました。調理・会食が出来ない今、こうした食材や物資を袋に詰めて、スタッフが届ける、または取りに来てもらう、無料学習塾に来た子どもたちに弁当と一緒に渡すといった取り組みを行っています。不思議なことに、食材配布を始めてから、これまで中々繋がることが出来なかった多くのひとり親家庭の皆さんと繋がることが出来ました。
また2月には、全農ECソリューションズ株式会社様の「こども食堂に国産農畜産物を届けよう」の取り組みに参加させていただき、牛肉、玉ねぎ、米、ジャガイモを頂き、2月13日のほっとキッチンで牛丼弁当を作り子どもたちに配布出来ました。普段、私たちの食堂では牛肉は高いので買うことが出来ません。牛肉たっぷり入った牛丼に子どもたち・若者たちは目を丸くしてびっくりし、その後満面の笑みがこぼれ落ちていました。
牛肉たっぷりの牛丼弁当は大人気でした!
全国の企業ばかりでなく、地元の近隣の農家さんや仲間のこども食堂、こども食堂に理解のある方々から野菜や米を寄附していただいています。地元企業やフードバンク信州さんからも多くの食材をいただき、用意した袋や段ボールいっぱいになった食材・物資を必要とされるご家庭に配っています。月2回こうした取り組みが出来ているのは善意ある皆さまのお陰、と感謝の気持ちでいっぱいです。
このように、様々な団体・企業・個人が子どもたちのためにと一丸となって取り組んでいただいた1年でした。
すべて寄附していただいた食材(1家庭分)
毎回30~35家庭分用意しています
多くの皆様からの心温まるお気遣いで、この1年間、月2回の取り組みをなんとか実施してきました。子どもたちの笑顔を絶やさないため、100%とはいきませんが寄附でなんとか維持出来ています。食材を届ける家庭から「本当にありがとうございます。いつもいつも感謝しています」と毎回心の籠った言葉を頂いています。コロナで日本中が翻弄され一喜一憂する毎日ですが、ささやかではありますがこども食堂での繋がりが明日への糧になっているように思えてなりません。
まだまだコロナが収束するには時間がかかりそうですが、このような繋がりを持てたことが唯一明るい話題かもしれません。今年もなんとか頑張ろう、子どもたちの笑顔を守ろう、そしていつの日かコロナが落ち着いて、また元通り皆と楽しくおしゃべりしながら調理して、美味しいご飯を食べられる時が来ることを信じてもうひと踏ん張りしていこうと思っています。
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長野市で中高生・若者(10代)を対象としたこども食堂を運営しています。
こども食堂への疑問・質問を受け付けていますのでお気軽にどうぞ♪
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