ベトナムの若者と話してみました

輪っと集まれ！中高生・若者ほっとキッチン・無料学習塾では、昨年からベトナムの若者や母子が参加しています。日本の中高生・若者と同じテーブルにつき、他愛もない話をしながら交流し、相互理解を深めることを目的としています。また、ほっとキッチンでは、ボランティアの日本語の先生にも参加していただき、彼らに日本語も教えています。

そこで、毎回参加している若者にインタビュー形式で彼らの想いを語ってもらいました。今回登場してもらったのは、ズィー君。ハノイ近郊のハイフォン市出身です。長野に本社がある製造会社に勤務しています。ベトナムに現地法人があり、そこで5年間勤め、昨年7月に転勤で長野にやってきました。日本での研修は3年間。職場には14人のベトナム人がいるそうです。2年たったらまた母国に帰る予定。日本語は流暢とは言えませんが、簡単な会話はできます。日本語をもっと覚えたいと、毎回参加しています。ほっとキッチンでは外国籍の若者に日本語を教える取り組みも同時に行っているので、毎回数名のベトナムの若者が参加しています。もちろん無料。

ズィー君は、はにかみながらも優しい笑顔で答えてくれました。そして何より、素晴らしい目の輝きが印象的。

・日本の研修が決まったとき、どう思った？　「嬉しかった」

・長野の印象は？　「綺麗で、便利。そしてとても広い。」

・広いってどういうこと？　「スーパーが広くてとても清潔。ベトナムは狭くて人がいっぱい」

・人の印象は？　「皆とても親切。日本語を熱心に教えてくれる。勉強が楽しい。漢字も教えてもらった」

・ほっとキッチンはどう？　「とても楽しい。友人を誘ってみたい。毎週開いてほしい。いつも次回が待ち遠しい！」

・帰国後また日本に来たい？　「是非戻ってきたい！」　と力強く即答してくれました。

逆に日本の若者やスタッフに彼らの印象を聞くと、いつもニコニコして親しみやすいしとても素直、重たい荷物を持っていると走ってきて助けてくれる、頼まなくても黙って先を読んで動いてくれる等々。双方に不平不満の言葉は一言もありませんでした。まさに草の根交流の成果ですね。

今年4月、入管法が改正になり多くの外国人労働者が技能実習生として来日しています。マスコミでは、労働条件が劣悪とか、高額な借金をして日本で働くことに希望をもって来日したにも関わらずひどい扱いを受けているとか、様々な問題提起がされています。そんな彼らをかわいそうとか、あまり関わりたくないとか、人それぞれ思うこと・感じることは違うと思います。文化の違いはありますが、互いに理解し合い、共存しようという姿勢があれば壁はなくなります。

せっかく縁あって日本にきた若者や母子、今後もっともっと増えるでしょう。ブラック企業もあれば、人を大切にする企業もあると思います。労働環境に関しては、企業や行政に任せて、我々市井の人間は、互いに理解と思いやりを持ってお付き合いしていくことが大事と思います。それが必ず将来につながると信じています。

ほっとキッチンでは、これからも積極的に外国人の若者を受け入れ、日本の中高生・若者とざっくばらんな交流を目指していきます。母国を離れて技術を磨き、いつか母国のために働きたいと希望を持っている若者から学べることがあるはず。日本の若者たち、今後の日本を背負っていく彼らにこそ、何かを感じ取ってもらいたいと願っています。

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