まいぷれ長野の少し役立つコラム

画像:PIXTA(ピクスタ)
先日、朝日新聞でOECD※教育・スキル局の上席分析官のインタビュー記事~不登校問題~が掲載されました。
※OECD(経済協力開発機構):世界38カ国の先進国が加盟する国際機関。経済成長、貿易の自由化、途上国支援などを目的としている
そこで、昨年12月行われた「不登校国際的フォーラム~OECD/日本/アメリカ/イギリス/ノルウェー(2026年3月31日報告書公表)」の報告書を参考に不登校問題に関し調べてみました。今回はその問題を考えてみたいと思います。
まず、不登校と言っても各国定義が違うため、一概に “こうだ” と言えない事をお伝えしておきます。共通していることは、コロナ以降各国とも不登校問題が拡大しているという事です。そして登校しているか否かの数字だけではなく、様々な問題が浮き彫りになって来ました。
日本では不登校問題がクローズアップされていますが、OECDの調査では、日本と韓国は他国と比べると欠席率が低く、文化的な背景があると述べられています。この文化的背景について後程述べます。
日本では2024年度35万人(小・中学校全生徒の3.8%)と公表され、年々増加しています。但し、増加率は減少傾向にあり、新しく不登校になった児童生徒数は減少に転じています。不登校の主な要因は、学校生活に対してやる気が出ない、生活リズムの不調、不安・抑うつ、学業不振・友人関係等が続いています。
OECDの報告書では、経済的に恵まれない生徒や移民背景の有る生徒の欠席率が高いという傾向があると分析されています。日本では、移民背景はこれまで重視されて来なかったと思われますが、最近外国籍児童の増加に伴い―移民という定義に当てはまらないかもしれませんが―、不登校問題が出始めていることは否めません。言葉・文化の違いで学校へ行きたがらない、という現象があると推測されます。実際、私の周りでも外国籍児童・生徒が不登校になっているという事例がありました。
不登校問題は、個人・家族・コミュニティ・メンタルヘルス・社会経済的な状況・学校の風土・進学による環境の変化等が挙げられていますが、生徒・保護者・教員の間で不登校の原因に対する認識が異なっていることが多く、根本的な原因の理解を困難にしていると言われています。この3者の認識が異なっていることが不登校を阻んでいると思われます。
また新型コロナの拡大により、理由のない欠席・メンタルヘルスの深刻化など、不登校の性質が随分変化しているとも語られました。コロナによって悪化した「学校・ネットでのいじめ」の対処に学校及びそれ以外の介入、家庭を中心とした支援の重要性も盛り込まれました。
不登校について国によって考え方が異なります。
アメリカ・イギリス・ノルウェーでは登校することが大事という姿勢をとっています。アメリカ(ロードアイランド州)では「出席は重要」と位置づけ、全ての学校からリアルタイムで出席率のデータを収集・公表。また成績との関連性を公表し、各校に授業出席対策チームを設置、生徒ごとに適切なアプローチを実践。欠席率の高い学校には集中支援や全教師向けの無料専門研修コースを用意しています。
イギリスは、出席は重要という共通認識で、出欠のデータの共有を義務化、教育省がリアルタイムで把握・分析する体制を構築。上手くいっている学校が他の学校を指導・サポートする仕組みがあり、学校にいることの重要性を強調する情報を多方面から発信しています。
ノルウェーは、理由を問わず欠席1日目からフォローアップをすることが自治体に課せられています。また、専門家委員会は、実務家・専門家・保護者・生徒で構成される委員会でエビデンスの検討や提言の策定に向けた助言・支援を行っています。このなかで、生徒がガイドライン策定に参加するうえで「意見を信じて貰えること」「安全と信頼」「参加が実際に影響を及ぼすこと」が大事と位置付けられています。
このように各国とも登校・出席することが最も大事という考え方のもと不登校問題に取り組んでいます。特筆する点として、コロナ後は保護者の在宅勤務増加に伴い、数日欠席しても良いという風潮が出て来たとも指摘しています。保護者の意識が変化してきていると言えるようです。
では、日本ではどうでしょうか?
日本は長く休むこどもの割合が高く、学校以外の場所も認め、こどもを支える姿勢も日本特有のものと述べています(OECD教育スキル局担当官、6/28朝日新聞より)。
先ほど、日本には文化的な背景があることをお伝えしましたが、文科省の担当者の見解では、日本は天然資源に恵まれないため、古くから「人材」と「教育」に力を入れて来たという歴史があるということです。また、2016年に新教育基本法が施行され、不登校児童生徒に対する教育機会の確保が目的化されました。学校へ登校するという結果のみが目標ではなく、児童生徒が自らの進路を主体的に捉え、社会的に自立することを目指しています。また、不登校対策として「COCOLO」 プランを実施。以下が3つの柱です。
①学びの場の確保
・校内教育センター(校内での居場所)の設置。令和7年6月現在、全国で15,874校に設置
・教育センター(校外の居場所)全国で1,800以上設置
・学びの多様化学校設置促進~不登校児童生徒の状況に応じた特別な教育課程の編成
・オンライン学習
②チーム学校での支援
・1人1台の端末を用いて、こども達の変化を早期に発見
・担任 /スクールカウンセラー /ソーシャルワーカーが連携しチーム学校で支援
・保護者支援。保護者に対する相談、学習会の実施、広報提供体制の整備
③魅力ある学校づくり
・学校風土の見える化
・授業の改善
・校則の見直し~こども達が参加しながらルール作りを進める試み
このように、日本は他国と違い学校へ行くことが最重要課題という位置づけではありません。その子がその子らしく生き、大人になっていくことに重点が置かれているようです。
日本と他国との不登校問題の向き合い方は様々です。それぞれ国の事情が違い、どちらが良いとは言い切れません。ただ共通して言えることは、決して見捨てない、諦めない、様々な形で方法は異なっていても、社会の一員となって支えていける大人になって欲しいということではないでしょうか。今後各国の成果を踏まえつつ、社会情勢の変化と共にこども達に未来を託せるようになっていくことを願うばかりです。
ほっとキッチンでは、以前登校を渋る子が参加していました。周りの大人たちが少しずつ関わり背中をそっと押すことで、徐々に変化が見え、今では立派な社会人になりました。そしてコミュニケーション下手の子たちの良き理解者として関わってくれています。『こどもは自ら変わる力を持っている』を実感しています。
参考:文科省「不登校国際フォーラム」成果報告書(2026年3月31日)/2026年6月28日 朝日新聞
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
長野市で中高生・若者(10代)を対象としたこども食堂を運営しています。
こども食堂への疑問・質問を受け付けていますのでお気軽にどうぞ♪
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
この記事に関するキーワード

こども食堂のおばちゃんのコラム

ママ・パパ必見! Mom’s sunの保育士コラム

こども食堂のおばちゃんのコラム
長野市吉田1-17-27
[ 学習塾 ]
講師1人に対して生徒2人「徹底個別指導」の学習塾です
長野市中御所岡田町3-2中沢ビル6階
[ イベント・レンタルスペース/負動産活用支援/就職・創業支援 ]
長野市でビジネスする人が集まるコミュニティスペース
長野市大字鶴賀上千歳町1413-2
[ 英会話教室 ]
ながでん市役所前駅からスグ! 楽しく学べる英会話教室です!
長野市大字南長野北石堂町
[ こども食堂(中高生・若者対象) ]
子どもも大人も思わずニコッ! 食事には不思議な力があるんです