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こども食堂のおばちゃんのコラム

外国籍児童・生徒の就学顛末記 パートⅡ

写真:PIXTA

前回、ベトナムの子ども達の来日から登校までのいきさつをお話しました。今後同じような子どもたちが来日するようであれば、気を付けること、前段での準備等を簡単にまとめておきます。

 

1.事前準備

・もし親が一足先に来市するようであれば(支援者も含む)、早めに長野市学校教育課に相談し、センター校が何処にあり、行政からどんな支援を受けられるか確認すること。その時いつ頃来市する予定か話しておくと良い。

 

・前述の話の流れに沿って、住まいを早めに決めておくこと。外国人の場合、民間のアパートや借家は断られることがしばしば有る。

 

2.家族(子ども達)が来市

・学校教育課に早めに相談。通学する学校を決める。外国籍の子どもの場合、センター校なら日本語教室(日本語教師が交代で来校し教えてくれる)で教えてもらえる。今回の場合、学校見学した後、申請書を提出。受理後、学校で登校に向けての打ち合わせ会議開催。出席者(中学の場合)、教頭、学年主任、担任、日本語教師、両親と本人、通訳、ほっとキッチンスタッフで行われた。外国の方は、日本の学校・制度について何も知らないと認識し、細かい点も遠慮なく相談した方が良い。

 

・打ち合わせ会議と並行して、体操着、カバン、給食着等学校生活に必要な物品を用意する。初登校には、なるべく物品が揃っていた方が馴染みやすい。今回、長野市内の「周る回るハウス」という子ども用品・学用品の無料交換所があるので、そこで用意した。ストックしてないものでも、頼んでおけば探してもらえる。

 

3.遠慮せず、どんな小さなことでも質問・確認すること。思い込みは禁物

 

以上が、今回経験した流れから学んだことです。

もし、学童期の子ども達を連れて長野市にやって来る外国籍の家族がいたら、是非参考にしてください。スムーズに子どもたちが登校でき、友達が1日でも早く出来て遊べるようにするのが大人の責務です。義務教育とは、子どもが学校に通う義務があるのではなく「保護者が子どもを学校に通わせる義務がある」と言う意味なのですから。

 

前回お話したベトナムからやって来た姉弟のその後の学校生活をちょっとだけ。

8月下旬から無事登校始めました。あっという間に学校になれ、友達も大勢できました。姉弟とも、口を揃えて学校は楽しいと話してくれました。弟君は登校1週間で友だちと公園で遊んだ、2週間目で友達7人できたと全員の名前を教えてくれました。お母さんから「2人とも、学校から帰ってくると『今日も楽しかった!』と嬉しそうに話してくれます」と報告をもらいました。そして登校から1ヵ月、「『もうベトナムには帰りたくない。ずっと日本に居る』と子ども達は言っています」と何とも嬉しい話をしてくれました。

 

とはいっても、勉強は待ってくれません。クラスの友だちと楽しく過ごしているのであれば、尚更勉強に遅れをとってはいけない、せめて授業が理解できる程度にはしなくてはと考え、9月から「外国籍の児童・生徒のための無料学習塾」を始めました。毎月第1・3土曜日、9時半~11時半の2時間、場所はほっとキッチンと同じ中部公民館第5地区分館です。科目は理科と社会。講師は信大教育学部の理科教育と社会科教育専攻の学生。9月と10月は計4回実施しました。講師の学生は全くベトナム語を話せません。子ども達の日本語はまだ覚束なく、なかなか思うように教えられないので、両親が通訳をしてくれています。

 

学習終了後、両親の最初の一言「自分達もすごく勉強になった!」でした。図らずも、子どもと一緒に両親も日本の教科学習をすることになっていました。特に社会は尚更です。日本の地理や歴史はベトナムでは学べませんから。

 

「こどもは地域で育てる」を掲げ、7年前にこども食堂を、4年前に中高生・若者ほっとキッチン・無料学習塾を立ち上げました。スタッフ一人一人が、通ってくる中高生・若者に目を向け、顔つき・顔色をみて、必要に応じて声かけをしています。毎回参加する中高生・若者は7~8名程度と少なめで、ボランティアの大人の方が多い位です。だから一人一人に目を向け、何気なく声を掛ける「大丈夫?困ったことない?」と。子ども達はなかなか多くを語ろうとしませんが、心配してくれる大人がいる、ということは分かってくれているようです。そして、ポツンポツンと語り始めたり、「手伝います!」と自発的に声を掛けてくれるようになってきました。子ども・若者は、近くで心配してくれる年上の人がいて、何気なく声かけをいていくと、必ず変わっていきます。これは実感です。

 

第1・3土曜日は外国籍児童・生徒のための無料学習塾、第2・4土曜日は中高生・若者ほっとキッチン・無料学習塾と、毎週土曜日中身を少し変えながら開いています。第2・4土曜日は同時に外国の技能実習生のための日本語教室も行っています。もちろん外国籍の子ども達も一緒です。日本の中高生・若者と外国籍の子どもと若者、皆が一同に会し楽しい時間を過ごしています。庶民レベルの国際交流です。

 

学習する小・中学生、居場所として利用する高校生や若者、皆自分に合ったスタイルで参加しているのが、ほっとキッチンです。気負わず何気なくそこに居てにっこり微笑む、そんな場所です。

 

今後、皆でワイワイおしゃべりしながら食事を取ることが再開出来れば、もっと親近感が沸いて仲間同士の繋がりも出てくるでしょう。早く会食が出来るようになればと、願わずにはいられません。

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長野市で中高生・若者(10代)を対象としたこども食堂を運営しています。

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子どもも大人も思わずニコッ! 食事には不思議な力があるんです

長野市南県町688-2 長野県連合婦人会館2階(事務局)

※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。

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