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子どもの権利条約 その3 ~子どもオンブズマン制定に向けて~

画像:PIXTA(ピクスタ)

子どもの権利条約について、2回に渡り報告してきました(その1その2)。

 

今回は5月18日、県弁護士会主催「子どもの権利条約における相談・救済機関の果たす役割とは」のシンポジウムに参加した報告です。

 

長野市では、現在子どもの権利条約制定に向け、動き始めています。秋には制定の運びとなりそうです。前回もお話しましたが、弁護士会では「子どもオンブズパーソン」設置に向けて市に要望書を提出しています。

 

では、子どもオンブズパーソン(オンブズマン)とは、どんな人でどんな役割を果たすのでしょうか? 子どもオンブズパーソンと言っても、子どもがその役割を担うものではありません。子どもの権利侵害に対し、その救済を図る目的のために活動する大人の事です。子どもの権利擁護委員という呼び方もあり、具体的には弁護士や子どもに関する諸問題に精通している人が任命されています。

 

今回のシンポジウムの講師として登壇されたのは、東京都小金井市代表子どもオンブズマンの半田勝久氏(日本体育大学教授)と同じく東京都国立市子どもの人権オンブズマン掛川亜季氏(弁護士)です。お二人から設置目的と役割及び事例を交えてお話を伺いました。

 

まず、小金井市から。対象は18歳未満の子どもで、人権侵害の救済と防止を目的としています。子どもが安心して相談できる場所として、優しい相談環境の整備(電話・メール・手紙・はがき・対面相談)をしています。

 

そして子どもが何に苦しんでどんな気持ちでいるかを、現状や気持ちを出来る限り本人から丁寧に聞き取り、問題や解決の糸口について把握、どのようして子どもの気持ちを尊重すればよいかを子どもと共に考えていくよう心掛けているそうです。

 

つまり、子どもから直に思いを聞き、代弁する形で子どもと大人、子ども同志のすれ違っている問題に対話形式で相互理解・相互承認を行い解決に向かうといった手法がとられています。子どもにやさしい町~全ての子どもが生き生きと健やかに安心して暮らせるまち作り~が目標です。

 

次に国立市。東京都ですが、人口7万6千人と小さな市です。一般オンブズマンと子どもオンブズマンの2種類に分かれています。その役割は、一般オンブズマンは主に市の機関等に関する苦情処理を行い、子ども人権オンブズマンは子どもの人権に関する相談・支援・調整を行っています。その機能は調査・調整活動、制度の改善・是正を担っています。

 

この活動で大切にしていることは、①こどもは権利の主体、②子どもの声が出発点、③子どもと大人の考えは違うこともある、④子どもの力を引き出す相談支援~自分の事を自分で考え行動する。また自分の考えを整理し、問題解決の力をつける~、です。

 

事例紹介で、小学生2人からの相談について報告されています。

 

他のクラスの先生が他の児童に大声で叱責をしている様子を見て相談に来所。2人から詳しく話を聞き、当該小学校の校長に連絡。叱責した教師と叱責された児童から当時の様子を聞き取り、児童は叱責されたことは怖かったが、内容については納得しているという回答がありました。校長は先生に指導方法の見直しを提言。オンブズマンは相談に来た児童に一連の流れを伝えました。この事例から、相談に来た子ども達は自身が叱責された訳ではなく、ただ傍で見聞きしていただけなのに傷つくこともある事を改めて思い知りました。つい忘れがちになってしまう子どもの心。大人は立ち止まって忘れていた子ども時代の傷つき易い心をもう一度思いめぐらせることが大事だと痛感しました。これは③子どもと大人の考えは違うこともある、に該当する事案だと思われます。

 

このように、子どもオンブズマンは大人から見て問題と思われる事だけでなく、ほんの小さな事でも子どもから見れば大きな出来事であり、子どもの心に寄り添い問題解決に動いてくれる人達の集まりと言えるのではないでしょうか。

 

現在県内では、子どもの権利条例は長野県と松本市だけ制定されています。松本市は2013年、長野県は2015年制定。2025年現在全国で80自治体に留まっています。国連で子どもの権利条約が採択されたのが1989年、日本が批准したのが1994年。日本の批准から31年、長野県の制定から10年、県都である長野市は条例制定と子どもオンブズマンの設置は急務と考えます。子どもへの広報活動等を充実させ、子ども自身が躊躇せず相談できる仕組み作り~例えばメールやSNSを通じて相談~を模索していく必要がありそうです。

 

最後に5月27日付朝日新聞で、元国連子どもの権利委員会委員長、大谷美紀子氏のインタビュー記事が掲載されましたので、一部をご紹介します。

ユニセフの調査では、日本の子どもの精神的幸福度は低迷したまま。子どもの自殺率は4番目、親との会話の頻度は最も低いとされています。いじめ不登校等多くの課題に直面していますが、子どもの権利条約の認知度も高くなく、子どもは保護の対象で意見を聞く必要がないのでは、と考える大人がまだまだいます。

 

子どもの権利侵害に対応する国レベルの独立機関が無いので、被害を受けても子どもが裁判を起こすには非常にハードルが高い。政府や行政から独立した立場で子どもの味方になり、政策や制度について社会に問題提起する専門家が必要です。

 

欧州を中心に数十ヵ国で子どもコミッショナーや子どもオンブズマンと呼ばれている機関があります。日本は世界でも珍しく国レベルでの機関が実現していない一方、自治体レベルで独自の機関を設ける動きが広まってきました。日本に住むすべての子どもたちのために機関がどうあるべきか、議論を深める必要があります。

現在長野市ではパブリックコメントを募集しています。5月13日~6月12日迄。もしご意見をお持ちの方がいらしたら、是非意見を寄せてください。長野市のHPから入っていけます。子どもを守るために、皆で力を合わせていきましょう。

 

(仮称)長野市子どもの権利条例骨子案へのご意見募集(パブリックコメント)

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