まいぷれ長野の少し役立つコラム

画像:PIXTA(ピクスタ)
先日、「子どもの権利条約」の勉強会に参加しました。
平成30年2月、「子どもの権利条約」の勉強会に参加し、このコラム欄で報告しました。今回はもう少し具体的な進捗状況と事例発表の勉強会でした。
まず、子どもの権利条約について簡単に説明します。
子どもの権利条約は、1989年11月国連で採択、1990年9月発効されました。全部で45条あり、18歳未満が対象です。日本は1994年(平成6年)批准しました。世界で158番目。それから28年後の2022年、ようやく「こども基本法」が成立。翌2023年、こども家庭庁が発足・こども大綱が制定され、2024年「こどもまんなか実行計画」が策定されました。国連で発効されてから実に34年目の出来事です。
単純計算すると、当時生まれた子は今34歳、日本が批准したとき生まれた子は28歳。親になっている人もいるでしょう。何故そんなに時間が掛かったのでしょうか?
本当のところは分かりませんが、私なりに調べてみました。以下私見です。
日本では、2003年(平成15年)7月、次世代育成支援対策推進法が成立しました。この法律は急激な少子化の流れを変えるため次代の社会を担う子どもが健やかに生まれ育成される環境整備を進めるために、国、地方公共団体、事業主、国民が担う責務を明らかにし、10年間をかけて集中的かつ計画的に次世代育成支援対策に取り組んでいくことを目的に作られました。
この法律に基づき、一般事業主行動計画が公表され、事業主サイドの対応が求められると共に「くるみん」マークが創設されました。これは企業に対し、一定の要件を満たせば申請を行うことによって「子育てサポート企業」として、厚生労働大臣の認定(くるみん認定・トライくるみん認定)を受けることができるというものです。
さらにより高い水準の取り組みを行った企業が「プラチナくるみん認定」を受けることができ、それぞれ「認定マーク(愛称:くるみん、トライくるみん)」、「特例認定マーク(愛称:プラチナくるみん)」を、商品、広告、求人広告などに付け、子育てサポート企業であることをPRでき、公共調達において加点評価等のメリットもあります(厚労省)。
また平成19年12月「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」及び「仕事と生活の調和推進のための行動指針」が策定されました。ただしこの施策は子どもを真ん中に据えたものでは無さそうです。つまり子どもを取り巻く社会の変革を目指すものであって、子どもそのものに焦点を当てたものではありませんし、子どもの権利を中心に据えたものではありません。
次世代育成支援対策推進法はその後内容の充実を図りながら改正され、新たに令和7年度から更に充実した内容が盛り込まれ延長される見込みです。
このように、次世代育成支援対策推進法が成立してから23年経ちましたが、残念ながら子どもの不登校や自殺者数が増加傾向です。少子化も歯止めがかかりません。「次代の社会を担う子どもが健やかに生まれ育成される環境整備を進める」と謳っているはずなのに。
2023年4月こども基本法施行、こども家庭庁発足、こども大綱制定、「こどもまんなか実行計画」が策定され「子どもの権利条約」がようやく日の目の当たるところまで漕ぎつけました。国連で批准されてから31年。あまりに長い道のりです。
長野市では、子どもの権利に関する条例が制定されていません。勉強会では市担当者から今後の方向性について報告がありました。
2024年11月に、
①こどもの権利を守る大人の役割と仕組み
②こどもの意見表明
③相談と救済
④条例の趣旨を実行する仕組み
の協議開始。まだ始まったばかりで、内容の濃いものになるか、当たり障りのない内容になるか定かではありません。子どもにとって一番大事な事を、子どもの意見表明権として取り扱うことが重要です。
長野県の市町村では唯一松本市で2013年に子どもの権利に関する条例が施行されました。市の相談室「こころの鈴」が設置され、2015年に初の子どもの権利保護措置が実行されました。「こころの鈴相談室」の相談件数は令和3年155件(延べ327件)、4年143件(延べ263件。コロナで活動自粛時期)、5年180件(延べ426件)と年々増加傾向です。様々な事例が報告され、こんな相談してもいいんだ、助けて貰える・・・という情報が浸透して来た証しかもしれません。ここで事例を2つ紹介します。
いじめ加害者の中心的立場と誤解され、本人が説明する場が持たれず、教師が高圧的態度で接してくるのでだんだん心身に変調をきたし、不登校になった。親族から相談があり学校と協議、学校・生徒・保護者と話し合いを重ね生徒が徐々に登校できるようになった。
家庭内での虐待について、本人から相談。家庭環境に配慮し、また医療機関とも連携し、支援につながった。
子どもの権利条約の中にある“こどもの意見表明”と言われてもピンと来ないかもしれません。この事例①の場合のように、子どもの意見や気持ちを周りの大人たちが聞こうとせず、大人の思い込みだけで物事を進めて行こうとする態度は、「君が悪い」とレッテルを貼られた子どもにとってどんなに辛いことでしょう。冤罪に等しいのではないでしょうか?そして、自分の意見に耳を傾け対応してもらった事で、この生徒は次に向かって第1歩を踏み出せたのではないでしょうか?
このように、子どもは大人が気づかないところで深く傷ついていることがあります。それを大人がどう察知するか、大したことないと蔑ろにせず、どんな些細な事でもこどもの気持ちに向き合うことが「こどもまんなか」であるはずです。つい大人の価値観で「貴方の為。子どもの判断は危うい。大人の言うことに従っていればよい」と押し付けがちですが、子どもは大人が感じる以上に自分の意見を持っています。もし、それが間違っていたら、面と向き合い子どもの意見に耳を傾け、本人が納得するまで話し合うことが大切です。そして、親・学校の先生だけでなく、子どもに接する機会のある大人全員がその気持ちを常に持ち続けることが肝要です。
長野市では条例制定に向け、現在検討中と聞いています。子どもの権利に関する条例が、一日でも早く制定されることを願ってやみません。子どもが子どもらしく、真っすぐに成長できるよう、私たちも見守っていかなければなりません。
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