まいぷれ長野の少し役立つコラム
~赤ちゃんポストを全国47都道府県に広める会主催~赤ちゃんポストを全国47都道府県に広める会主催

画像:PIXTA(ピクスタ)
以前このコラム欄で、赤ちゃんポストの現状について報告しました。興味をもっていただけたでしょうか?
今回は、第3回の勉強会の様子を報告します。特別講師として、2007年日本で初めて赤ちゃんポスト「こうのとりのゆりかご」が開設された慈恵病院(熊本)で、看護部長として開設に携わった田尻由貴子さんが参加してくださいました。
なぜ慈恵病院で「こうのとりのゆりかご」設置したか。当時日本では新生児遺棄事件が多発。1週間に1件の割合で新生児遺棄事件があったそうです。熊本でも3件の新生児遺棄事件が起こり(2005~2006年)2人の赤ちゃんが亡くなり、母親が有罪になったことをきっかけに、慈恵病院で設置を決意したそうです。
「こうのとりのゆりかご」は、ドイツのベビークラッペがそのモデルだそうです。ドイツはキリスト教国で、子どもに対する考え方は「子どもは社会のもの」、日本は「子どもは親のもの」と根本的に捉え方が違っています。ですから日本社会では、子育ては社会の責任ではなく個人の責任という風潮が根づいており、なかなか社会で守るという概念が希薄のような気がします。何かというと「自己責任」という言葉に押しつぶされて、声を上げられないのが今の日本社会の現状のような気がします。少し飛躍しますが、こうした捉え方が児童虐待を招く一因になっているような気がしてなりません。
話を元に戻します。
なぜ日本で「赤ちゃんポスト」が広がらないのか、その理由として、
①法的・制度的問題
②社会的な抵抗(倫理的問題)
③コストとインフラの問題
④行政の消極的姿勢
⑤児童相談所との連携
を挙げています。これらは全て「社会」的な要素に起因しています。
①については、法律の問題ですから、機運が盛り上がり、法解釈と改正の必要性が幅広く認知されていけばそれほどハードルは高くないと思われます。
法律的根拠が示されれば、④と⑤は行政も動かざるを得なくなるので、徐々に改善されていくのではないでしょうか。
③コストの問題は、運営費用は年間約2,000万円かかるそうです(慈恵病院)。実際問題として、高額なコストの負担をどうするか。これも皆で知恵を絞りつつ、国の支援を仰いでいく必要がありそうです。
最後に②の倫理的問題。先に述べたように、日本社会では「子どもは社会のものではなく、親のもの」という倫理観がいまだに根強く残っています。この倫理観を変えていくには時間がかかると思われます。一世代待たなければならないかも知れません。様々な問題が山積です。
田尻さんのお話では、これらを踏まえて慈恵病院では、決して安易な出産を助長させない、母親を犯罪者にさせないために様々な工夫を施す、出自を知る権利をできる限り保証、といった策を講じているそうです。また、課題として挙げられたのが、生まれてきた子が障害児であったため母親が不安定になってしまったことを、担当の保健師が見逃してしまったと反省を込めてお話してくださいました。良いことばかりでなく、実際様々な問題が生じてきます。そうした事例において、行政との密接な連携が不可欠となってきます。そしてそこには行政の担当者の力量も重要になってきます。
「赤ちゃんポストを全国47都道府県に広める会」では、9月にアンケートを取り、その結果が発表されました。回答者は316人と多くはありませんが、赤ちゃんポストの広がることについて、正しい形であれば賛成が約90%を占めています。また、赤ちゃんポストと内密出産のどちらが広がるべきかの問い、両方と答えたのは52%、赤ちゃんポストが16%、内密出産が9%でした。
望まれない妊娠でも、生を宿したのであれば「社会のもの」として守っていく時期が来ているような気がしています。この17年間、愛知・兵庫・大阪で設置が検討されましたが、見送られています。
2022年北海道では民間による設置が進みましたが、行政から中止要請を受けたものの現在も活動は継続しているそうです。2023年には東京で開設が計画され、2024~5年に開設を目指すと報告されています。ようやく開設の機運が出てきたようです。
もう一つ。赤ちゃんポスト第1号の宮津航一さんの話です。彼は3歳で赤ちゃんポストに預けられ、里親の元で大事に育てられ、立派に成長し大学生になりました。地域でこども食堂を立ち上げ、子どもたちのために活動をしています。彼の言葉です。
家族的な愛のもとで育つのが子どもにとって必要で、それがあれば出自の問題は、悩んだりするかもしれないが乗り越えられるのではないかと思う。最後にゆりかごを評価するのは当事者だと思う。預けられた経緯ではなく、その後の人生のほうが大切だ
最後に田尻さんは次のような言葉を投げかけて下さいました。
愛の反対は憎しみでなく、無関心である
~マザーテレサ
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