長野県のこども食堂の充足率　全国でも高い水準です！

先日こども食堂ネットワークサミットが東京で開かれました。今年も全国から約200人のこども食堂関係者が一堂に会しました。主催者から、現在全国各地で約3000ケ所のこども食堂が設置されていると報告がありました。まだまだ増加傾向にあるようです。

今年も先進事例の発表がありました。そのうち印象に残った事例を紹介します。

滋賀県では社会福祉協議会が中心となり現在115ケ所開設されています。人口141万人小学校数223校。（滋賀県HP。2018年10月1日現在）因みに長野県は人口206万人、小学校数380校（長野県HP。2018年度）長野県のこども食堂数は約80ケ所。（こどもカフェ長野PF資料）充足率は滋賀県の半分くらいでしょうか。

では、なぜ滋賀県の充足率が高いのでしょうか？その理由の一つとして、県社会福祉協議会が中心となり県内に広めていったということが挙げられます。こどもを真ん中に置いた地域作り「子どもの笑顔はぐくみプロジェクト～誰もが「おめでとう」と誕生を祝福され「ありがとう」と看取られる社会を作ろう～」です。こども食堂を通して、人と人との繋がりの場・身近な地域の共生の拠点と位置付けています。また社協が中心になり地域・企業との橋渡しも行い、スポンサー企業から600万円分の商品券の寄付を受け、各食堂に配ったそうです。資金面でのサポートも怠りません。今後長野県でもこうした取り組みが期待されるところです。

次に、法政大学教授でNPO法人全国こども食堂支援センターむすびえ理事長の湯浅誠氏の講演から。むすびえが考える「こども食堂」とは、子どもの貧困対策と地域交流拠点の両側面をもち、子どもと食を中心としたみんなの居場所と定義しています。

講演のなかでこんな報告がありました。さすが学者で社会活動家、全国のこども食堂の箇所数と充足率を調べたというのです。箇所数では、ダントツ1位が東京、次が大阪、3位が沖縄、福岡と続きます。沖縄を除いて大都市に集中しています。これは当たり前ですね。人口が多ければそれだけ需要もあるわけですから。そこで湯浅氏、小学校数に対して充足率を調べたそうです。そうしたところ、なんと沖縄が1位、約50％だそうです。つまり2校に1食堂あると言うこと。こどもの足でもなんとか通える範囲です。沖縄は様々な社会問題を抱え、こどもを取り巻く環境も他県とは若干異なるようです。

私の友人の親せきの方が那覇市でこども食堂を開設しています。その方は町の役員をしているそうですが、子どもたちの様子をみて何とかしなければとの思いで開設に至ったとか。みんなの居場所というより貧困対策にベクトルが向いているのかもしれません。

その次が滋賀県。前述したように、行政が率先して開設に尽力している証ですね。その後は東京、鳥取、高知、長野、奈良と続きます。箇所数と充足率を比較するとどちらも高いのは沖縄だけです。長野県の場合、充足率は全国的に見て高い水準にあります。これはなぜでしょう？私なりに考えてみました。これはあくまで私見ですが、県民性にあるのではないかと思っています。今でこそ、新幹線や高速道路が伸び大都会が身近になりましたが、ひと昔前は山に囲まれていたため、その向こうにある都会に憧れ、アンテナを張り、誰もが真摯に社会問題に向き合う姿勢がありました。それが今日も引き継がれこども食堂の高い充足率に繋がったと考えます。

3年半前、こども食堂を立ち上げたいと普通の主婦だったおばちゃん達が集まり、大した後ろ盾もなく、ただ想いだけで見切り発進、県内で初のこども食堂を開設しました。それがマスコミ報道され多くの方が見学に来られた後、次々と食堂が開設されました。ある食堂さんから「こんなに簡単に出来るなら自分もできるかもしれない、と思った」と感想をいただきました。

全国、それぞれの地域の特性を生かし、こども食堂を開設・運営しています。今後も地域の特性や事情を生かしながら様々な形のこども食堂が開設されていくと思います。こどもがど真ん中にいる社会、いいと思いませんか？

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長野市で中高生・若者（10代）を対象としたこども食堂を運営しています。

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