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こども食堂のおばちゃんのコラム

「こども食堂」って何? を考えてみました!

画像:PIXTA(ピクスタ)

9月13日付朝日新聞に「『こども食堂』看板やめます」というインタビュー記事が一面に大きく掲載されました。インタビュイーはこども食堂の名付け親の近藤博子さん。

 

2012年に東京都大田区で初めて『こども食堂』という名称で、近所の子ども達と食を通じてつながりが出来れば……という思いで始められた方です。

 

その後、東京を中心に広がり、2016年に「広がれ、こども食堂の輪!」全国ツアー実行委員会が立ち上がり、9月から全国各地で順次開催され始めました。そして2019年3月このツアーの最終報告会が東京で開かれました。

 

足掛け3年にわたるイベントでした。ツアーの開始時、全国で約300カ所のこども食堂が立ち上がっていましたが、ツアー終了の2019年には全国で3,000カ所以上になり、2年半で10倍のこども食堂が設立されました。いわば “こども食堂” 立ち上げブームが起こったかのようでした。但し、このツアーは、名づけ親の近藤さんが中心ではなかったように記憶しています。

 

長野県では2017年5月ツアーが開催されました。大勢の関心のある方が集いました。この時点で県内でも複数のこども食堂が立ち上がっていました。2016年1月県内初のこども食堂がオープンし、2019年には約80カ所になっていました。あっという間に各地で立ち上がりました。そのほとんどが民間レベルです。いかに子どもの問題に関心が高いか、が伺えます。その一方で民間レベルだからこそ、立ち上げ易かったとも言えます。許可がいるわけではないので、志のある仲間と支援者が揃えばすぐ立ち上げることが出来るのですから。

 

こども食堂の定義は、常に2つに分かれてきました。一つは貧困対策の一環として、もう一つは居場所です。

 

2013年子どもの貧困対策の推進に関する法律が制定・公布されました。ちょうどこども食堂が広がり始めた頃と同時期です。ですから、当時マスコミではこども食堂=子どもの貧困対策として取り上げられることが多くありました。こども食堂を運営する側はジレンマに陥りました。決して貧困対策でこども食堂を立ち上げたわけではない、地域の子ども達の居場所、楽しく皆で食事が出来る場所が必要と純粋に感じたからです。その中に困っている子がいれば寄り添えるな~と密かに思いを抱いていました。

 

貧困対策のこども食堂となれば、返って困っている子は来なくなります。困っているということを知られたくないからです。でも運営者側の心のうちは “そういう子にこそ来て欲しい” でしたが、大っぴらにメッセージは出せませんでした。多分どこのこども食堂も同じような悩みを抱えていたのではないでしょうか。

 

話を元に戻します。朝日新聞のインタビュー記事に

大事なのはこども食堂という活動ではなく、子どもとその親が置かれている状況を改善することの議論が不可欠です。しかし現在、こども食堂の数や利用者を増やすことが目的になっているのではないでしょうか。

と書かれていました。また

子どもの貧困は今に始まったことではない。社会が、気づかなかった・または見て見ぬふりをしてきたため、この問題を議論して来なかった。そしてこども食堂さん頑張れと応援する。それがとても嫌だったのです。

と意見を述べています。

“全て自己責任”として片付けようとする。こども食堂を始めて13年、こどもの自殺、不登校といった状況はどんどん悪くなっている。こども食堂を応援することで、自分たちはこどもの問題に取り組んでいるという態度をとる政治家がいる。こども食堂でそんな大きな問題を解決できるはずはありません。

と続けています。

 

当ほっとキッチンも、実は同じような想いを抱いてきました。同じようにこども食堂を開いている団体は、何人集まったと自慢げに話をしているところもあります。月1~2回開催の食堂で、どんな子どもたちが集まって来ているのか、把握できているのでしょうか? 名前と顔が一致しているのでしょうか? ただ集まってごはん美味しかったね! とその場限りの集まりになっていませんか? もしそうだとするなら、ただの楽しいイベントと変わりないのではないでしょうか? そういう主旨で開催しているこども食堂もあるでしょう。もしそうであれば、毎月開かれるお祭りと何ら変わらないのではないでしょうか?

 

たぶん行政もそのような位置づけでこども食堂を捉えているような気がします。問題を抱えている子は別に居て、こども食堂と連携して子どもの問題を解決しようとは考えていないような気がします。以前行政のアンケートで、『問題を抱えている子が複数いることを把握している』と答えましたが、行政側から何のリアクションもありませんでした。ですから、私たちは出来る範囲で子どもたちを見守り寄り添っています。行政には過度に期待しないことにしています。

 

現在こども食堂は全国で1万カ所を超えています。長野県では約200カ所。こども食堂はブームとなり、至る所で開設されてきました。コロナで下火になるのではと思いきや、増え続けています。法人として運営しているところ、またボランティアだけで運営しているところ、まちまちです。

 

法人運営であれば、人件費等もかかるでしょうから相応の予算が必要です。ボランティアだけで運営しているところは、食材費が工面できれば細々ながらやっていけます。近所や知人友人から野菜等の寄附もあるでしょう。でも、ボランティアだけでは限界があります。両者は同じ方向を向いてはいるものの、似て非なるものがあるのも確かです。こども食堂の在り様が様々な方向に向き始め、限界が来ているように感じています。

 

先日、新たな自民党総裁が選出されました。経済の底上げ等が取り沙汰されていますが、ワークライフバランス(WLB)は置き去りにされてしまうようで懸念されます。WLBは大人だけのものではありません。以前このコラム欄でも私見をお話しましたが、子どもの問題でもあると考えています。不登校や自殺が高い数値のままである今、WLBと家庭の在り方そのものが問われるべきです。子どもの貧困対策で各家庭に現金給付やその他の生活・教育に予算を組むことは大事です。しかし、それと同時に社会や保護者が、子どもの生活全般にどう向き合っていくのか、常に最優先課題として真摯に向きあっていくべき時期が来ていると思います。これを読んでくださった皆さん、どう思われますか?

 

【参考】

朝日新聞 2025年9月13日 「オピニオン&フォーラム」欄

「広がれ、こども食堂の輪!」推進会議 HP

認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ HP

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