まいぷれ長野の少し役立つコラム
読者のみなさまが聞きたいこと、気になることなど、ぜひリクエストもお待ちしています。
写真提供:Mom’s sun
近年、報道番組などで頻繁に聞かれるようになった「不適切保育」という言葉。報道を見ながら、同じ保育現場で働く者として、とても苦しく、そして複雑な気持ちになります。今回は保育者として、このようなニュースを見て感じること、現場での葛藤などを述べてみます。
この言葉を良く聞くようになったのは、つい最近ではないでしょうか。保育士の園児に対する言葉、態度、それらが「適切ではない」と「不適切保育」という言葉で言われるようになりました。ニュースで聞く、園児に対して「バカ」「のろま」等の発言は、子どもに対して、ましてや人に対して使う言葉ではなく、憤りを感じます。また、子どもの健やかな成長を見守らなければならない保育者としてあり得ないとも感じます。
ニュース等で多くの報道がなされるようになり、マムズサンでも研修会が開かれました。「私たちは不適切保育をしていないか?」というテーマです。そこで先生たちからあがったのは「不適切と言われることが怖くなり、子どもに対して何も言えなくなってしまった」という意見でした。
散歩に出かけたときのこと。
みんなで横断歩道を渡っていると、2歳児の子が突然しゃがみだしました。「渡ろうね」と声をかけても、頑なに動きません。他の園児はみんな渡り終えた先で待ってくれています。信号が点滅を始め、左折したい車も横断歩道の手前で待ってくれていますが、危ないと思って子どもを抱き上げようとしました。すると、その子は「いやーーーっ!」と泣き叫び、私の腕の中で体をのけ反らせました。ですが、信号は既に赤。子どもをおろすわけにいかず、泣いている子どもを抱えながら走って渡り切りました。そして、道の端で「横断歩道で座ったら危ないこと」「先生に伝えたい気持ちがある時は言葉で教えてほしいこと」を伝えました。
少し落ち着いて、私の頭には「大泣きしている子どもを抱えている保育園の先生の姿は、地域の方の目には不適切保育に見えているのだろうか」ということが思い浮かびました。
子どもは泣き止んで、またスタスタと歩き始めました。疲れてしまったのか、何か拾いたいものがあったのか、この時のこの子の気持ちは分からないままでした。
この行動、不適切保育にあたるのでしょうか?これがただの歩道だったら?止まって歩かなくなった子どもに対して適切な関わりはなんでしょうか?
日々、このような葛藤の中で保育をしています。
きっと全国の保育に関わる方の多くは同じような気持ちを抱えながら仕事をしているのではないかと思うのです。子どもや保育は大好きだけど、世の中の意見に挟まれて苦しくなってしまう時があるのではないでしょうか。子どもの気持ちを大切にすること、思いをきちんと聞くこと、危険なことはその場で伝えること。日々変化する保育で、自分の保育に対する思いはありつつ、勉強したり、研修を受けて新しい情報を入れながら時代にも合わせていかなければならないな、と思います。
少しでも読者のみなさんに「不適切保育ってどんなことだろう」と考えるきっかけになってもらえたら嬉しいです。
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