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不登校生徒の調査結果を考えてみました

画像:CORA/PIXTA

10月、県教育委員会事務局 心の支援課から「令和2年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」の結果概要が発表されました。

 

調査項目は1.いじめ 2.暴力行為 3.不登校 4.高校中途退学等です。今回はその中で不登校の問題について考えてみたいと思います。

 

令和2年度の不登校の人数は小学校1,365人、中学校2,437人、高校628人、計4,430人でした。8年連続で増加。全国と同様、過去最多でした。

 

まず不登校の要因として、以下の大項目で調査した結果が下記の通りです。

【学校に係る状況】

小学生331人、中学生844人、高校生199人で計1,374人

 

【家庭に係る状況】

小学生279人、中学生299人、高校生35人で計613人

 

【本人に係る状況】

小学生637人、中学生1,086人、高校生311人で計2,034人

 

【それ以外】

小学生118人、中学生208人、高校生83人で計409人

これを見ると、【本人に係る状況】がどの学年も最も多い数字になりました。

 

【学校に係る状況】で主たる要因は「いじめを除く友人関係をめぐる問題」がどの学年でも最も多い数字でした。小学生145人、中学生333人、高校生97人で計575人。

 

次が「学業不振」で小・中・高合わせて425人。「いじめ」は小・中・高で合わせて19人と、とても低い数字でした。断定はできませんが、不登校といじめは比例しないと言えそうです。むしろいじめ以外の友人関係と学業不振に原因があるようです。

 

【家庭に係る状況】では、ダントツで「親子の関わり方」でした。小学生225人、中学生199人、高校生15人で計439人です。残念ながらこの項目も具体的な事例が報告されていないので、どんな親子関係が不登校に結びつくのか不明です。

 

【本人に係る状況】は「生活リズムの乱れ・あそび・非行」と「無気力・不安」の二項目です。

 

特に「無気力・不安」が小学生507人、中学生882人、高校生259人と不登校全体の約37%でした。特に高校生は41%と大変高い割合になります。1,000人当たりの不登校生徒数を見ると小・中は全国平均を上回っています。

 

「無気力・不安」とは具体的にどんなことを指すのか、残念ながらこの項目も前述と同様詳細は言及されていません。全国では、無気力・不安が約47%と最も高い数字を示しています。中学生や高校生は思春期ですから、将来への漠然とした不安はつきものです。しかしそれが直接不登校の原因になるのでしょうか?

少し古いデータですが、2007年ユニセフが発表した「OECD諸国における子供の幸福度調査」で、日本の15歳の子どもは「自分は孤独だ」と感じる割合が29.8%で1位、群を抜いて高い数字になりました。2位がアイスランドの10.3%ですから約3倍です。

 

私見ですが、「孤独」は決してプラスに働く要因ではないと思います。自分が孤独だと感じることで、自己肯定感が欠如し、生きる意味を見出せなくなる可能性があります。

 

では、何故日本の子どもは孤独を感じるのでしょうか? 大人はどうなのでしょうか?

2005年OECDの社会的孤立に関する調査では、日本人は仕事以外で友人や職場の同僚などの知り合いに会うか?という質問に「めったにない」と答えた割合が15.3%と世界でトップでした。

 

つまり子どもだけでなく、大人も孤独であるのは世界でトップと言うことになります。文化によるものか、日本人の資質なのか、または現代社会が抱える病巣なのか、定かではありませんが、子どもも大人もそうした傾向がみられます。

 

2020年イギリスのシンクタンク、レガタム研究所が167の国と地域で調査し発表された「国の繁栄に関する統計」で日本は安全性、健康、経済、ビジネス環境、国の統治、教育とも上位でしたがソーシャルキャピタル(社会や地域における人々の信頼関係や結びつき)が167ヶ国中140位とかなり下位でした(ビジネス・ジャーナルより引用)。今も大人は孤独を抱えているようです。

 

このように、孤独は無気力と不安を生み出し、子どもはその対処の仕方が未熟なため、不登校という選択肢を選んでしまうのではないでしょうか?

話を戻しますが、長野県の不登校の小・中学生数は3,802人、在籍児童数160,187人ですから、割合から見ると全国でもかなり上位になります。

 

以前この欄でお話しましたが、長野県の若者の自殺数が全国で1位だったという大変悲しい時期がありました。現在では様々な対策が取られ1位ではありませんが、上位で高止まりした状態です。

 

日本人はソーシャルキャピタル(人との関わりや信頼)が低いという調査結果があり、そして年々人への信頼度が低下し、先進国の中でもっとも他人を信頼していない、社会参加をしている人が少ないと言われています(世界価値観調査より引用)。

 

大人は敢えて孤独を楽しむという人がいるかも知れませんが、子どもは自ら選ぶとは思えません。知らず知らずのうちにそうせざるを得なくなっているような気がしてなりません。大人は、子どもが集える場を学校以外に設けて、孤独や不安を感じさせないように努力しなければならないと強く思っています。

 

そして、何より大人自身がもっと社会との繋がりに価値を置くべきではないかと考えます。そこがひょっとして子どもの不登校問題の出発点になるかもしれません。

 

この話、皆さんはどう受け止めますか?

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