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こども食堂のおばちゃんのコラム

「長野県子ども会」と「こども食堂」

写真:PIXTA

「子ども会」と言う組織、子どもを持っている方なら誰でもご存知ではないでしょうか。以前は「育成会」と言う名称で、各学校・地域にありました。今回は「こども食堂」との関係について考えてみたいと思います。そこでまず、子ども会とはどんな組織なのか、成り立ちから見ていきます。

 

昭和21年、太平洋戦争後の混乱期、青少年の犯罪が急増、しかも悪質化の傾向が見られるとし、文部省(当時)が動き始めました。

 

昭和22年児童福祉法が公布、昭和26年に全国社会福祉協議会が設立、厚生省(当時)と共催で「こどもレクリエーション・キャンプ指導者講習会」が始まりました。文部省では昭和38年「少年生活指導研究会」が開催され少年団体育成活動の振興を図りました。その後「全国少年団体指導者連絡協議会」が結成されました。これは子どもを構成員とする集団で、地域を基盤として組織され、子どもの心身共に健全育成を図ることを目的とする「子ども会」を目指すものでした。ここで言う子ども会とは、指導者と育成者が加わり子どもの健全育成を目的とするものです。全国に広がり、小学校区・市町村の子ども会連合会の組織として発展、全国の都道府県へと拡がりました(以上公益財団法人全国子ども会連合会HPより)。

 

長野県では、昭和46年「長野県青少年育成連絡協議会」が設立され、昭和50年には83市町村、13地方部青少年育成会が発足しました。様々な活動を経て平成28年「一般社団法人長野県子ども会育成連合会」として新しいスタートを切りました。組織として指導者講習会等を開催、より安全で充実した子どもたちの活動の礎となっています(一般社団法人長野県子ども会育成連合会 HPより)。

 

もう一つ、子どもに関わる全国組織として「長野県PTA連合会」があります。誰でも知っている組織です。昭和23年に設立されました。もう70年以上も前の事です。戦争が終わってまだ3年足らずで、まだ社会が安定していない時期です。だからこそ、子ども達の健全な育成を目指して、保護者と学校が一体となって活動を行うことが必要でした。ただ最近になってPTA組織も転換期を迎えているようで、東京都小学校PTA協議会では日本PTA全国協議会からの退会について協議されていると報道がありました。長野県では528単位PTAがあり、約14万会員(家庭数・教職員数)がいます。毎年、様々な取り組みが計画されています(長野県PTA連合会HPより)。

 

筆者の子どもが小学生だったころ~平成時代~地域ごとに育成会があり、行事が組まれていました。年に2~3回くらいだったと記憶しています。強制ではなかったので、毎回は参加しませんでした。このようにPTAも子ども会も長い歴史があります。

 

他方、こども食堂はどうでしょうか? 初めて「こども食堂」と言う名称で、東京で開始してから今年でちょうど10年になります。長野県では平成28年1月、民間による県内で初めてのこども食堂が立ち上がりました。今年で7年目になります。正に「一般社団法人長野県子ども会育成連合会」が名称変更し、新しくスタートした年と重なります。

 

子どもを中心にした活動は、様々な名前で内容も多岐に渡っていました。そこに食堂と言う名前を冠にして、会食中心の活動が「こども食堂」の始まりです。その後信州こどもカフェプラットフォームを県が設置、現在食材等の受け入れとこども食堂への配布を担っていますが、緩やかな繋がりと言ったところで、主導権を握っている訳ではありません。こども食堂は民間主導で立ち上がり、そこに行政が半年遅れで立ち上がったという構図です。こども食堂が出来た当時、ちょうど子どもの貧困が社会問題になっていたこともあり、【こども食堂=子どもの貧困】と捉えられていました。現在は貧困問題と言うより子どもたちの居場所としての機能が中心となっているようです。

 

子どもを中心に据えた組織同士、どんな繋がりがあるのでしょうか? PTAと育成会は地域の学校区単位で活動を続けていて、長い間密接な関係がありました。こども食堂はこの10年長野地域では7年、急速に増加。現在全国で約6,000箇所、長野地域では約150箇所と言われています。子ども会の数には到底及びませんが、あくまで民間主導で開催されています。残念ながらPTAや子ども会と密接な関係で開催している食堂があるのか不明です。

 

昨今、社会と大人、親の事情が大きく変化、PTAに参加しないという動きも出始めています。子どもをど真ん中に! という意見は諸々で耳にしたり目にしたりしますが、なかなか成果が見えてきません。歴史があり、広範囲に渡って網羅されているPTAや子ども会活動ですから、こども食堂と何らかの形で良好な関係が築けないものか、枠を超え、垣根を超えて協働できる方策はないものか、行政も交えて検討してもらいたいと考えます。

 

来年いよいよ「こども家庭庁」が発足します。5月のコラム欄でこども家庭庁準備室の担当者の話を簡単に紹介しましたが、様々な問題を抱えた子どもや成育歴の異なる子ども達が健やかな環境で大人になっていく支えを我々大人が努力を惜しまないことが何より大事だと考えています。こども食堂も微力ながらその一翼を担えると信じています。

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