まいぷれ長野の少し役立つコラム
5月22日(土)、中高生・若者ほっとキッチン・無料学習塾を開催しました。同時に大学生への食料支援も行ないました。この活動は、立正佼成会長野青年部から申し出を受け、共催と言う形で学生たちへの食材配布が実現したものです。市内の3大学の学生に声を掛けましたが、果たして何人位集まるのか予想がつきませんでした。
問い合わせや申し込んできた学生もいましたが、当日直接会場にくる学生もいるだろうと70袋を用意。学生への食材配布は3月にも行なったので、その時に聞いた希望の食材を個人や企業等にお願いし集めました。お米3キロとレトルト食品、お菓子、ジャム、カップヌードル、その他にも色々用意しました。会場は北石堂町のJAビル広場をお借りすることができ、時間は11時30分~12時30分を予定していました。こちらの心配をよそに、開始時刻前には10数名の学生がやってきて、配布が始まるまで待っていてくれました。
11時30分になり、用意していた70袋は30分もたたないうちに配り終えてしまい、食材が足りなくなってしまいました。折角来てくれた学生を手ぶらで帰すのは忍びない、お腹を空かせているのでは……とスタッフたちが心を痛め、慌ててお米と食材を調達しました。12時過ぎに来た学生には「1時間後にまた来て!」と頼む場面もあり、嬉しい誤算となりました。民間ボランティアで実施した食材配布で、大々的にマスコミを使って宣伝したわけではありませんでしたが、多くの学生が利用してくれました。
こうしてスタッフ全員の尽力で、総勢110名強の学生に何とか食材を渡すことができ、ほっとしました。若いが故になかなか自分達から声を大にして苦境を訴えることが出来なかったのでしょう。学生たちの様子を見て、コロナ禍で大変なんだと実感しました。
順番に並んで食料を受取る様子
食料を受取り、ほっとして皆でピース!!
食材を受け取った学生に、どんなことを感じ何を思ったか、聞いてみました。
「食材を貰えたことは大変嬉しかったし、有難かったです。いただいた食材は大事に食べたいと思います。ただそれ以上に感じたことは、スタッフの皆さんがボランティアでやってくださっていると聞き、人への思いやりや暖かさに触れたことがとても励みになりました。コロナ禍の中、そのような機会がなかったので、なんだか自分が浄化されたような気がしています。そして食材袋を手渡してくれる時、“勉強、頑張ってね!”という励ましの言葉を掛けてくださって、頑張ろう! と本気で思えました。お腹と同時に心も満腹になりました」
「世の中にこんなにいい人達っているんですね」と、ぼそっと呟いた言葉がスタッフの心に深く響きました。
若者は多感で、いろいろな思いが交差しているのだろうと思います。でもこうして、こちらが思いもよらないことを感じてくれて、なんだかほっこりしました。彼らの掛値無しの純粋な心に触れ、私たちも勇気と感動を貰いました。
食材を配布することは、単に食料を配ることではなく、その中に詰まったそれぞれの想いを交換することだと気づきました。そして、頑張って企画したスタッフ皆に感謝したい思いでいっぱいです。
コロナ禍で一同に会しておしゃべりしながら食事をいただくことはできませんが、こうして食料を介して、人と人との目に見えない繋がりを持てたことに胸がいっぱいです。一言二言の会話ですが、「食」の持つすばらしさ、人が生きることの根源に触れることができた感覚を体感しました。コロナ禍で閉塞感が漂うなか、小さな感動ですが、出会えたことに感謝で一杯です。今後もほっとキッチンでは、小さな感動を積み重ねて行きたいと考えています。
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