まいぷれ長野の少し役立つコラム
画像引用:Healthy-One
やっと爽やかな秋晴れの日が続くようになりました。青く澄んだ空は心地よいものですよね
深くて青い空を眺めていて、私はエーゲ海を思い出しました。
写真で見るだけでも吸い込まれそうな青さです。
このエーゲ海の東端に【ヒオス島】という小さな島があります。地図で確認すると「トルコの島かな」と思う位置にあるのですが、実はギリシャの島です。
古くから交易で栄えたこのヒオス島は、幻の植物と言われる【マスティックツリー】で有名です。
マスティックツリーは、世界でもヒオス島だけに生育しています。ヒオス島の内でもマスティックが育つのは一部の地域で、非常に量も少なく、現在では保護されていて
非常に手に入りにくくなっているようです。
古代からヒオスの人々は、生活習慣として、このマスティックツリーの樹液をそのまま噛んでいました。
樹液=エッセンシャルオイル(精油)ですね。
マスティックツリーの樹液は粘性のある天然ガム質でヒノキのような香りです。
木の幹に傷をつけて樹液を採取するのですが、その樹液の形が涙のような形に固まることから【キリストの涙】と呼ばれています。
歯を綺麗にして丈夫にしたり、口臭予防にもなるとして、特に女性からの人気が高かったといいます。
また胃の痛い時に噛むと、痛みが消えるという評判で、大航海時代にはあのコロンブスもヒオス島を訪れては、この樹液(マスティック)を積んでいったと言われています。
マスティックは古代より研究されて、さまざまな病気の治療に使われてきました。
最近の医学的研究でマスティックは、非常に高い抗菌作用を持っていることが確認されました。日本でも胃がん・胃潰瘍・歯周病に対して非常に効果が高いという研究結果が発表されています。
マスティックは善玉菌を残し悪玉菌だけに作用するとされており、ヨーロッパやアメリカでは医薬品として認められています。ピロリ菌の除去に他の薬と併用して用いられたり、傷口の殺菌剤・軟膏、手術用の糸、歯周病予防歯磨き剤などが販売されています。
また日焼け止め効果があることから化粧品原料にも利用されています。
日本でもサプリメントやガムのような食品が輸入販売されていたり、歯医者さんで売られている歯周病用の歯磨き粉にマスティックを使ったものがあります。
精油としては非常に手に入りにくく、残念ながら日常に用いられることはほとんどないようですが、古代から人々の生活に取り入れられてきた精油の一つが現代の歯医者さんで生きているというのは、とても興味深いことですね。
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