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こども食堂のおばちゃんのコラム

「令和6年若者の自殺報告書」から考えてみた事 

  ~厚労省 令和7年度自殺対策白書から~

画像:PIXTA(ピクスタ)

2025年10月、厚生労働省から令和6年度における若者の自殺をめぐる状況について発表がありました。今回はそのことについて考えてみたいと思います。

日本の自殺者数は減少傾向にあるが、小中高生の自殺数は過去最多水準で推移している。10~20代の自殺者数は令和2年から増加し、高止まり傾向にあり、死因の第1位は「自殺」である。G7各国の中で最も高い自殺率である

という件が記されています。

 

特にG7(日本、アメリカ、フランス、ドイツ、カナダ、イギリス、イタリア)の中で15歳~24歳の自殺率は最も高い数値です(2020年~2022年の数値)。また、10歳~14歳までの数値は2022年でアメリカと並んで最も高くなりました。2013年~2021年までの9年間アメリカがトップでしたが、2022年には日本とアメリカが同率となりました。そして、日本は2022年度の死因は、10歳~29歳まで自殺が1位です。

 

2020年以降15~29歳までの自殺者数は3,000人を超え高止まりです。2020年は新型コロナが蔓延し、社会全体が不安定な時期でしたから、自殺する若者が増加したと考えらます。しかしコロナ感染が落ち着いた2024年もほぼ横ばいとなっています。それまでは15歳~19歳は男性の方が女性に比べ上回っていましたが2024年には逆転、女性が上回りました。傾向として、女性の自殺者は自殺未遂歴がある割合が多いとされ、4割を超えています。男性の場合は2割以下ですから、女性の未遂の率が如何に高いかが判ります。

 

また若年女性の手段として過量服薬が最も多く、いわゆる「オーバードーズ」と言われている傾向です。近年、報道等で良く耳にする言葉で社会問題化しています。これは風邪薬や咳止め薬を症状を抑えるために服薬するのではなく、感覚や気持ちの変化を起こすために大量に服薬することを指しています。何故なのでしょうか? 現実逃避でしょうか? 何が原因でしょうか?

 

WHOでは自殺でなくなった大人1人に対して、自殺未遂をした人が20人以上いる可能性があると示唆しています。自殺未遂は突然起こるものでなく、必ず兆候があるはずです。専門機関に任せるだけではなく、日頃接する大人たちが常に気を留めておく必要があると思っています。

 

自殺の原因について、男性は15~19歳までは断トツで学校問題、20~29歳は健康問題ですが、女性は健康問題が15~29歳まで常にトップです。残念ながら、学校問題と健康問題の内容について具体的に言及されておらず、詳細は分かりません。

 

また職業別(学生含)に見ると男女ともに無職者が最も高い数字です。2015年~2024年の10年間の推移をみると、2021年以降女性は学生・有職者・無職者関係なく上昇し、特に15歳~19歳の上昇が目立ちます。背景に何があるのか、若者の声に真摯に向き合っていかなければなりません。

 

認定NPO法人育て上げネット理事長、工藤啓氏の言葉です。

今の若者たちに共通するのは“孤独”だということです。学校を卒業すると職場に入ります。そこでうまく職場に入れないと、他者との繋がり薄れ孤立し孤独感が高まります。無業の若者2人に1人が、他者が怖いと言います。そして“ひきこもり”になってしまいます。地域活動などを通じて少しずつ他者とのコミュニケーションに慣れ、若者を応援してくれる企業と連携し職場見学や体験することで、社会に出て行くことが出来るようになるのです

と述べています。

 

中高生・若者ほっとキッチン・無料学習塾では、その名の通り中高生・若者が集っています。

2018年4月に開設し、今年で8年目になりました。集う子ども・若者は数的にはそれほど多くはありませんが、ボランティアスタッフが一人ひとりにさりげなく寄り添っています。思春期が故に悩みを抱えている子、家庭の事情に抗えずに下を向く子、様々な事情を抱えた子ども達がやってきます。そのほとんどが自らではなく、周りの大人たちが心配して声を掛け、その後ほっとキッチンに来るようになります。参加当初は俯き加減ですが、徐々に顔を上げ笑顔が見られるようになります。以前、生きている意味が判らないと言ったひきこもりの若者がいました。その時ほっとキッチンスタッフはそっと寄り添い、こまめに声掛けをし、いつでも傍で心配している大人がいるよ、とメッセージを送り続けました。今では、社会人になり、仕事に就き、仲間も出来、時おり顔を見せてくれます。また、ボランティアで参加している大学生は、スタッフ皆さんが気軽に話かけてくれてほっとできます。ほっとキッチンは私の第2の居場所です、と語ってくれました。

 

行政では、若者の自殺問題に関し様々な施策が立案・実行されていますが、数値は高止まりのようです。行政や専門家たちに任せておけば良い問題ではない筈ですし、限界もあります。私たち身近に居る大人たちが、もっと子ども・若者に日常的にそっと寄り添う姿勢が、彼らの生きる力を育むことに繋がっていくと実感しています。大人たちがしっかり寄り添えば、子ども達は必ず変わります。大それたことは必要ありません。ただ、君たちを心配している大人が身近に居るんだよ! というメッセージを発信し続けていく事が大事だと考えています。こうした取り組みが、小さなグループで良いので全国各地で広がっていけば、子ども・若者の自殺未遂・自殺願望の抑止力になるはずです。

 

行政がやるべきこと、普通のおばちゃん・おじちゃんが出来る事、それぞれが自覚を持ち、どちらかだけでなく、互いに認め合い連携していくことが、子ども達を守る優先課題だと思います。私たちは、ほんの小さな力しかありませんが、一人ひとりが出来る範囲で力を合わせ、子ども達に真摯に寄り添っていくことが、子ども・若者達の孤独感を和らげ、引いては自殺願望から抜け出せる道ではないでしょうか? 私たち大人がそれを自覚し、行政や専門家に任せるのではなく、地域で小さな1歩を踏み出していくことが大事だと思います。 

皆さんどう思われますか?

 

【参考資料】

2025年10月 厚労省発表 令和7年版 自殺対策白書 第2章 

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長野市で中高生・若者(10代)を対象としたこども食堂を運営しています。

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