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こども食堂のおばちゃんのコラム

2024年度 活動報告です【中高生・若者ほっとキッチン/無料学習塾】

写真提供:中高生・若者ほっとキッチン/無料学習塾

ほっとキッチンを開設してから2025年4月で8年目に入り、開催回数は200回を超えました。あっという間でしたが、試行錯誤の連続でもありました。今回はこの7年間と2024年度の活動の様子を報告します。

 

【1】2018年~2023年 活動内容

2018年4月、初めてのほっとキッチンを立ち上げました。1年目は月1回の調理体験と会食・学習支援。

 

2019年から開催を月2回に増やし学習支援を充実させました。またベトナムの技能実習生の方々のための日本語教室も同時に開始しました。昼食は国籍・年齢を問わず皆で一緒に和気藹々とおしゃべりしながら食事をとりました。

 

また、台風19号千曲川氾濫で甚大な被害が出たとき、アグリ赤沼、赤沼公会堂、東部文化ホールでボランティアさん達のための炊き出しを行いました。高校生・中学生・ベトナムの方達と一緒に炊き出しを行いました。

 

2020年はコロナ禍で思うように開催できず、会場の公民館が使用禁止になったこともあり、調理・会食は中止せざるを得ませんでした。それでも、公民館北側のJAビルロビーと広場をお借りし、会食の代わりにフードパントリ―を始め、併せて学習支援も細々ながら継続してきました。

 

常連の中高生・親子さん達から、ステイホームと言われ、行ける場所が無いのでとてもありがたいと感謝されました。またコロナ下の2020年~2023年まで、市内3大学の学生さんに計5回無料で食材配布を実施しました。企業・団体から食材の寄付を受け、延べ600人以上の学生に配布。大変喜ばれました。

 

そして5年目の2022年、コロナがようやく下火になり、少しづつ元の生活に戻り始めた6月、ベトナムのこども達が来日しました。全く日本語が話せないこども達―中学1年と小学4年―のために、学習支援をもう2回増やし、月4回行うことにしました。講師はほっとキッチンスタッフと信州大学教育学部・工学部の学生達です。最初は両親が付き添い、翻訳機を駆使して暗中模索の学習支援でしたが、徐々にコツを掴み、学校にも慣れ友達もできて、日本語も上達し楽しい学校生活を送れるようになりました(彼らの就学支援もほっとキッチンで行いました。詳しくは令和4年10月掲載のコラム欄をご覧ください)。長野市在住のベトナムのこども達も参加し始め、多いときは5人参加していた時期もありました。

 

2024年3月、中学2年になったベトナムの生徒は長野市と姉妹都市のクリアウォーター市短期留学生試験に合格、春休みに日本の生徒たちと共にアメリカに10日間短期留学しました。1年半でこの快挙。思わず "凄い!" と目を見張る思いでした。皆で支援した証しだとチョッピリ自慢でもありました。

 

また、2023年4月から第一土曜に、絵画教室「アトリエ絵遊び」を開設。講師は北信美術会の会員の方で、その縁で北信美術展・次世代アート部門に絵を展示していただき、こども達の自信 に繋がりました。

展示された絵

【2】2024年 活動報告

2024年4月~2025年3月。それまでと同様、無料学習塾、皆で会食、アトリエ絵遊び、食材配布、弁当配布を行いました。食材配布は月2回、延べ600軒/年、弁当配布は約430人/年、会食は約470人/年、学習支援とアトリエ絵遊びは月3~4回開催、延べ220人/年の参加でした。

 

食材配布の家庭、弁当配布の家庭、学習支援のこども達、アトリエ絵遊び参加のこども達。こども達が置かれている状況・様子をほぼ把握したおり、不特定多数の参加ではありません。ひとり親家庭が多いですが、一生懸命勉強し、前を向いている姿にスタッフ一同感動しかありませんでした。A君が「ほっとキッチンは、ホッとできる実家のようなもの」と言ってくれたことが何よりの励みとなりました。また食材を取りに来たシングルマザーの方が「食材が頂けたおかげで、この一年何とか生きて来られました。本当にありがとうございました」と深々と頭を下げて下さいました。こんなに喜んでいただけて、続けて来て本当によかった、と心から感動しご褒美を貰った気持ちになりました。

 

学習支援では、2024年度に受験生が2人。先ほど紹介したベトナムの女子生徒は長野西高国際科に、もう1人の男子生徒は屋代高校に進学しました。「ほっとキッチンの皆さんが一生懸命背中を押してくれたおかげで、頑張るぞという気持ちが芽生え合格することが出来ました」と感想を述べてくれました。

 

もう一つ。2024年10月「NHKラジオ ワールドニュース」でベトナムの子ども達のインタビューが収録され、1週間全世界に向けて配信されました。テーマは「地域の支えで成長するこども達」です。全てベトナム語なので、残念ですが私たちが聞いても分かりませんでした。以下、その時ネットに掲載された写真です。

日本人学生がベトナムのこども2人を無料で教える

ベトナムのこどもたちの漢字学習ノート

また、食材配布を始めた2020年からずっと支援をして来た家庭のお子さんが高校を卒業。この春、社会人になりました。ほっとキッチンも卒業です。3月最後の開催日、皆と一緒に会食し、社会人になって出来ることがあれば、お手伝いしたいと皆の前で立派に挨拶をしてくれました。

配布弁当の一例

配布食材の一例

スタッフは全員ボランティアで、緩やかな集まりですが、皆気心が知れて冗談も飛び交う和やかな雰囲気です。この7年間、こども達の成長を傍で見続けてきました。様々な問題を抱えているこども達ですが、傍にいる大人たちがそれぞれ出来ることをし、そっとこども達の背中を押すことによって大きく成長していくことを目の当たりにしてきました。ほっとキッチンを立ち上げたときの「こどもは地域の宝、皆で力を合わせて見守り育てていこう」を合言葉に、少しでも実践できていたとしたら、立ち上げた甲斐があったというものです。

 

最後に、「生きる」という言葉にこの7年間の思いを綴ってみたいと思います。「生きる」とはいったいどういうことなのか。参加者の中で三名、場所も日にちも違う場面で独り言のように語ってくれました。

 

ひとり目は当時高校生だった若者で「生きている意味が判らない」思春期でしたが、様々な悩みや困難を抱えていました。私たちはそっと寄り添い見守ることしか出来ませんでしたが、でも本気で心配している大人が近くにいるんだよ、というメッセージは送り続けていました。今では社会人となり友人もでき、頑張って仕事をし、たまにほっとキッチンを手伝ってくれる頼もしい存在となりました。

 

2人目は「たまに、生きていてもしょうがないと思うことある」と語ったひとり親の方。ひとりで日々の生活と子育てで踏ん張っている親御さん。頑張っているからこそ、ふと立ち止まって我に返ったとき、どうしようもないやるせ無さを感じてしまうのでしょうか。私たちはこどもの学習支援・食材・弁当支援しかできませんが、もし息切れしたらいつでも愚痴を言いに来てください、聴いて、一緒にため息つきましょう!と伝えました。

 

3人目は「食材を頂けて、何とかこの1年生きて来ることが出来ました」と深々と頭を下げ、目に涙を浮かべながら、お礼の言葉を下さったお母さん。仕事に子育てに、休む暇もなく走り続けているであろうに。ただ私たちは企業・団体・個人の皆さまが寄附して下さった食材の橋渡しをしているに過ぎないのに。改めて私たちの方が勇気づけられたように感じました。

 

私たちは、ほっとキッチン立ち上げ当初、1人でも必要としているこどもがいれば続けて行こうと気負わずに始めました。今では必要としてくださる家庭やこども達が多くなり、本当に立ち上げて良かった、そして一緒に苦労してくれる仲間たちにも恵まれ、気負わずこれからものんびり構えながら続けて行こうと思っています。全員ボランティアですが、だからこそ私利私欲が全くなく、純粋にこども達がこどもらしく居られることだけを願って、活動出来ていると自負しています。今年度も気負わず、ゆっくりと歩み続けていきたいと願っています。

中高生・若者ほっとキッチン・無料学習塾

こども食堂(中高生・若者対象)

子どもも大人も思わずニコッ! 食事には不思議な力があるんです

長野市大字南長野北石堂町

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