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こども食堂のおばちゃんのコラム

~全国こども食堂支援センター「むすびえ」調査結果を読む~

写真:PIXTA

全国こども食堂支援センターむすびえでは、令和4年6月、第6回目のアンケート調査を行いました。今回はその結果を報告します。

 

調査期間は6月2日~16日までの15日間。コロナ第6波が落ち着き、第7波がまだ到来していない時期です。回答数は47都道府県、623ヶ所でした。全国で約6,000ヶ所以上のこども食堂があると言われているので、約1割強になります。

 

まず、通常の会食形式で開催している食堂について。会食していると答えた食堂は(形態を変えたり、複数活動含む)全体の48.8%。昨年は25%でしたから、倍の食堂が何らかの形で会食を始めたことになります。ただしこれは6月時点の数字なので、連日過去最高のコロナ感染者が報道されてきた8月、9月に入り高止まりしている現在、昨年の数字に逆戻りしているかも知れません。

 

開催状況について、もう少し詳しく見ていきます。今回のアンケートでは、1.「こども食堂+食材配布」27.3%、2.「お弁当配布」21.2%、3.「お弁当・食材配布」18%、4.「みんなで一緒に食べる(会食)」15.9%、5.「フードパントリー」7.4%、6.「これまでと形式を変えたこども食堂(屋外等)」5.6%、7.「その他」でした。

 

活動の休止・延期は1.6%で、何らかの活動をしているのは98.4%と大変高い数字が出ました。コロナ禍にあって、形態は様々ですが、活動を止めることなく継続している子ども達への想いの深さを読み取れる数字です。どの食堂も上辺の体裁やブームに乗って、ではなく、本気で子どもの現在と将来を見据えて、草の根の活動をしている証でしょう。因みに、当ほっとキッチンは3で、そこに学習支援がプラスされます。

 

会食を実施しているこども食堂のコメントです。

●コロナ禍の時期だからこそ、大人や年上のお兄さん・お姉さんとの交流が大切。

 

●こども食堂で食事をしたいという声に答え、人数制限と徹底した対策を講じて、初心に戻り、嬉しい・楽しい・美味しいをテーマに活動。子どもたちの笑顔が一番大切。

 

●3年ぶりに会食を実施。こどももボランティアも感激。やっぱり皆で食べると美味しく楽しい時間で、心と身体の元気の源と再確認しました。

皆さん、会食の重要性を改めて認識されているようです。

 

弁当・食材配布をしている食堂では、会食のみに比べ用意する弁当数が大幅に増え、キャパオーバーになり、賄えきれないという困惑した意見が複数ありました。確かに会食は当日参加した人数分用意すれば良いのですが、弁当となると家にいる家族の分まで持ち帰るので、2倍、3倍の数になってしまい、スタッフ・ボランティアの荷が重くなってしまいます。その上、皆が集う事で生まれる「楽しい・美味しい」が共有できないという、本来こども食堂の持つ意味が損なわれてしまう恐れがあります。

 

次に、こども食堂での困り事では(複数回答)、1.必要な人(貧困家庭等)に周知・広報し支援を届けること58.3%、2.運営資金不足46.9%、3.気になる親子への個別支援38%、という結果が出ました。そのうち1番の困り事は、必要な人(貧困家庭等)に周知・広報し支援を届けること26.2%、2番目は運営資金不足19.3%でした。

 

これまで5回行われたアンケートで一番の困り事は、第2~4回(2020年6月~2021年2月)まで「感染拡大の不安・防止の対応」でしたが、2021年6月、2022年6月では「必要な人(貧困家庭等)に周知・広報し支援を届けること」になりました。Withコロナが定着し、感染予防にある程度自信が出てきたことで、こども食堂が本来持っていた懸念事項に戻ったという事でしょうか?

 

最後に、活動について困り事の具体例の自由筆記について報告します。

●ひとり親家庭を中心にフードパントリーを継続してきました。食材を通じて繋がった家庭、また食材提供のみを目的とした家庭もあり、今後この関係をどう捉えて行けばよいのか悩んでいます。地域住民が気楽に楽しく集えるこども食堂の活動に意味があると思っていましたが、コロナによって私たちの背中に乗せられたこの重荷はなんなのか?とモヤモヤしています。

 

●こども食堂=貧困のイメージが学校・地域に根付いており孤食の子、かぎっ子、引きこもり、不登校の子の行き場所として利用してもらおうとしても協力が得られない。学区の小学校の教頭から『うちに対象の児童はいない』と一蹴された。

 

●コロナ禍で、フードパントリ―形式に変更し、定着してきています。会食が出来るようになった場合

フードパントリ―との両立が、現状のスタッフ体制では厳しいと思われます。

 

●助成金申請のハードルが高く、ストレスになる。

 

●来場者が増え、食材が不足し、また物価高騰で資金が不足。資金はギリギリ。これ以上参加者は増やせ

ない。

 

●スタッフ、ボランティアの中に負担を感じている人が出始めている。

これらの言葉は、当ほっとキッチンでも悩みの種となっています。全国共通の悩みかも知れません。

 

こども食堂が東京都大田区で初めて立ち上がってから10年。全国に広がったことに大きな意義がありますが、実際に現場で運営しているスタッフ・ボランティアの皆さんは、初心の志だけでは継続できない悩みが垣間見えてきました。当ほっとキッチンも、最初のこども食堂を立ち上げて6年、中高生・若者ほっとキッチン・無料学習塾を立ち上げて4年が過ぎました。初志貫徹の為に、いくつもの越えなければならないハードルが徐々に増えてきました。どう乗り越えて行けるのか今が正念場かも知れません。参加する子ども達もだんだん成長し、世代交代が起こっています。子ども達の様子も変化していきます。求められる事もそれに伴って変化していくでしょう。しかし、大勢で食卓を囲んで食事をする楽しさ・美味しさは、昔から変わらない。それを信じて、今後も精進し気持ちを新たに励んでいければと思っています。

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長野市で中高生・若者(10代)を対象としたこども食堂を運営しています。

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