まいぷれ長野の少し役立つコラム

画像:PIXTA(ピクスタ)
先日、令和5年度の小・中・高生徒の不登校数が発表されました。
全国で不登校児童数346,482人、割合は3.7% 前年は3.2%なので、0.5%上昇しました。長野県では、小学生3,019人、中学生4,041人、計7,060人。人数では全国で13番目です。いわゆる都会と言われる地域を抱えている都道府県が上位を占めています。ただし児童生徒数の割合から見ると長野県はかなり上位になります。
都道府県別の1,000人当たりの不登校児童数からその割合を見てみましょう。長野県は小学校では全国2番目の30.5人、中学校は全国4番目の75.7人でした。小中合わせると46.3人。全国平均は小学校で21.4人、中学校は67.1人、小中合わせると37.2人ですから、いかに長野県の不登校児が多いか判ります。
小・中学校合わせると全国で3番目の多さです。最も少ない県は福井県で、小学校14.3人、中学校49人、小中合わせると26.6人でした。小学校では長野県に比べ約半分、中学校では6割強 小中合わせると6割弱。なぜ、このような差がでるのでしょうか? 何が原因なのでしょうか? 以前長野県は若者の自殺者数が全国で上位だったことがあります。その後対策がなされ、改善はされたものの高止まりしているようです。なぜ長野県は不登校児童生徒が多く、若者の自殺者が多いのか。
少し話を戻します。私なりに調べて感じた事を述べてみたいと思います。子どもと社会情勢という視点です。
全国的に見て不登校児童生徒が増加した時期があります。平成8年です。それまで増加していましたが、緩やかな上昇でした。平成8年頃から明らかに上昇を始めています。何があったのでしょうか?
平成8年当時の社会情勢を見ると、腸管出血性大腸菌O157による集団食中毒発生しました。これは小学校の給食から始まったものです。当時全国的に大きく報道され、子ども達にかなり恐怖心を植え付けたのではないかと推測されます。ほんの小さな事で傷つき易い子どもの心。連日ニュース等で見聞きし、また周りの大人たちの様子を見て、大人の想像を超えた不安が子ども達の心を支配したのではないでしょうか?
その後、平成13年ごろをピークにいったん小康状態になります。そして平成30年頃から急カーブで不登校が増加していきます。平成30年にいったい何があったのか。
平成30年のニュースを紐解くと、西日本豪雨で死者220人、住宅被害は5万棟、北海道で震度7の大地震発生と、全国各地で自然災害が発生、その怖さが報道されました。連日ニュース等で見聞きし、いつ自分の身に降りかかるか判らないから、日ごろから災害に対して万全の備えをするよう叫ばれた時期でもありました。
そして令和2年、コロナによる外出禁止、学校もしばらく休校、人との接触禁止と様々な制約が叫ばれ家に閉じこもる毎日でした。そしてこの先どうなるのだろうと、漠然とした不安が日本中に広がっていきました。コロナ前のごく当たり前の日常が戻ったのは令和5年春でした。心も体も成長する一番大事な時期の子どもたちにとって長すぎる日々でした。
今回の調査で以下が判明しました。不登校児童生徒の把握した事実として(複数回答あり)、
①学校生活に対してやる気が出ない等の相談 32.2%
②不安・抑うつの相談 23.1%
③生活リズムの不調に関する相談 23% 計78.3%
学業不振15.2%、友人関係の問題13.3%と続きます。いじめは1.3%と調査14項目の中では最も低い数字となりました。実に心身の不調が約8割弱となっています。社会の不安が子どもの心を徐々に蝕み、社会と繋がることに恐れを抱いている…という見方は行き過ぎでしょうか?
子ども達の心に私たち大人はどう向き合えばよいのでしょうか? もちろん平成以前にも様々な社会不安がありました。大人たちがこれまで生きて来た社会をもう一度見つめ直すことが必要かもしれません。何があり、どう乗り越えて来たのか・来られなかったのか。そして子どもたちにどう向き合えばよいのか。
もう一つ触れておきたい事があります。児童生徒の自殺者数です。手元には1974年から2023年までの50年間の自殺者数の表があります。それを見ると、1977年度からは小・中・高校生の数字で321人。1979年度は380人子ども達が命を落としました。1979年は第2次オイルショックの頃で、経済情勢が悪化。社会全体に暗雲が立ち込めた時期でした。
この数字に驚き、政府として対策を講じたのか、翌1980年には233人までに減少しました。その後ずっと横ばい状態が続きましたが、平成30年300人超え、令和2年には400人を超えてしまいました。ちょうどコロナの時期と重なります。大きな社会不安が知らず知らずに子ども達の心に巣くっていたのでしょうか?(以上の数値は文科省資料による)
そして令和7年1月29日、2024年度の小中高生の自殺者数が発表されました(厚労省・暫定値)。527人で1980年以降最多となりました(文科省と厚労省発表の数値に誤差あり。文科省は学校から報告のあったもの。厚労省は警察庁の自殺統計によるもの)。特に女子の自殺者数が増加、初めて男子を上回りました。
大人を含めた全体では昨年より減少し、統計を取り始めた1978年以降2番目の少なさでした。にも拘わらず、小中高生の自殺がなぜ大幅に増加したのでしょうか?
再度話を戻します。
長野県の場合、全国でも上位になる不登校者数。何が原因なのか。独自の原因があるのか、定かではありません。地域の特性があると思われますが、残念ながらそれを見つけることは出来ていません。因みに最も少ない県は福井県で、小学校14.3人、中学校49人、小中合わせると26.6人でした。長野県と比較すると小学校では半数、中学校では6割強、小中合わせると6割弱になります。
福井県について少し調べてみました。
福井県では「日本一幸福な子育て県を掲げ、こどもの医療費助成・保育施設・遊び場の充実等、全力で子育て世帯をバックアップしています。こどもは学力・体力が全国でトップクラス、不登校児童数も全国で最も少なく日本一幸福に成長できる環境となっています。また親についても共働き日本一で待機児童ゼロを実現。子育てのしやすさが自慢と答える親が一番多いなど、日本一幸福な子育てが実感できる環境が整っています」と述べています。
また、以下福井新聞のネット記事です(2024/11/23(土)配信 一部抜粋)。
『福井県の福井商工会議所はこのほど、都道府県別の幸福度ランキングを独自に分析。福井県が総合1位評価を受ける要因として「家族や地域コミュニティーのつながりの濃さ」や「ゆとりのある生活構造」が影響しているとの結論を導き出した。幸福度ランキングは日本総合研究所(東京)が2012年から1年おきに調査しており、24年版では福井が14年から6回連続となる総合1位に選ばれた。同会議所の「持続可能な社会共創委員会」が、幸福度が高いとされる一方、県民の実感が薄い点に着目。客観的データを基に幸福度が高い潜在的要因を探り、評価と実感のギャップの検証、今後の施策展開につなげようと昨年5~7月、学識経験者や行政、マスコミ関係者らのワーキンググループ(WG)で分析した。
分析では「三世代同居の多さ」や「食糧自給率の高さ」「住宅面積の広さ」などが、幸福度が高い福井県の特徴として分かった。これらは東北や北陸などの県でも共通している項目であることに着目、いずれも日本の原風景である田舎や自給自足が可能なエリアであることも踏まえ、「家族や地域コミュニティーのつながりの濃さ」を要因と位置付けた。
WGでは、これらは時間をかけて作り上げられた地域文化や生活構造などが基礎にあり、幸福度を押し上げる普遍的な要因と結論づけた。 持続可能な社会共創委員会は「長年の歴史に基づく、恵まれた環境が福井に根付いていることが改めて分かった。この結果を出発点に、会員企業の社員の幸せ実現にどう生かしていくかなど議論を深めていきたい」と話した。』
これが全てとは言い切れないものの、この分析を通して見えて来たことは「古き良き日本」の原風景を残しながら、現代にマッチした社会を構築していると言えるのではないでしょうか。大人が自覚無しで身に着けている「ゆとり」 がそのまま子どもに心身共に受け継がれ、引いては不登校児童の少なさに繋がっているのではないでしょうか? 目の前の事にばかり気を取られ、大人の「ゆとりと大らかさ」がつい忘れがちになっているとしたら、まず大人から余裕のある日常を心掛けていくことが大事と思いますが、皆さんどう思われますか?
一つ疑問なのは、長野県も自然豊かで決して福井県と大きく異ならないと思われるのですが、なぜ子どもの不登校の割合で大きく差がでるのでしょうか? 多分理由は一つではないでしょう。様々な要因が幾重にも絡まったのでは……と推測され、その一つひとつの絡みを根気よく解きほぐしていかなければなりません。
「こども真ん中社会」が掛け声倒れにならないよう、ポーズだけにならないよう、中身の濃いものにするために、大人一人ひとりが真剣に取り組んでいかなければなりません。
参考
●令和6年10月 文部科学省初等中等教育局児童生徒課
「令和5年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」
●産経新聞 ネットニュース 2023/5/29
●福井県こども未来課 2023年
●福井新聞 2024/11/23(土)
●厚労省 2025年1月29日発表
この記事に関するキーワード
長野市大字鶴賀上千歳町1413-2
[ 英会話教室 ]
ながでん市役所前駅からスグ! 楽しく学べる英会話教室です!
長野市中御所岡田町3-2中沢ビル6階
[ イベント・レンタルスペース/負動産活用支援/就職・創業支援 ]
長野市でビジネスする人が集まるコミュニティスペース
長野市大字南長野北石堂町
[ こども食堂(中高生・若者対象) ]
子どもも大人も思わずニコッ! 食事には不思議な力があるんです
長野市吉田1-17-27
[ 学習塾 ]
講師1人に対して生徒2人「徹底個別指導」の学習塾です