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身近な出来事を法律でわかりやすく解説 ~司法書士コラム~

相続人としての権利を守る ~遺留分とは? 解決編~

前回のコラムでは遺留分についての問題を掲載いたしました。今回はその解説を行い、遺留分についての基本的な知識を把握していきましょう。

 

【問題1及び問題3】遺留分が認められる範囲は?

 

問題1及び問題3において検討すべき事項は「1.遺留分は誰が主張できるのか」「2.遺留分はいくら主張できるのか」という2点です。

 

まず「1.遺留分は誰が主張できるのか」という点についてですが、遺留分は相続人のうち、【配偶者】【子(及び子がいない場合の代襲相続者)】【親(直系尊属)】となります。

ポイントとなるのは、相続人が兄弟姉妹の場合、「兄弟姉妹は遺留分を請求できない」ということです。

 

続いて「2.遺留分はいくら主張できるのか」という点ですが、原則、法定相続分の2分の1の割合を遺留分として主張できます(民法1028条2号)。ただし、親(直系尊属)のみが相続人となる場合、法定相続分の3分の1の割合を遺留分として主張することができます(民法1028条1号)。

 

上記の事項を元に、問題1及び問題3について解説いたします。

 

■まいぷれ次郎は平成29年10月に亡くなりました。相続人は【妻の花子】【子の小太郎】です。

■まいぷれ次郎の財産を調べてみると、1,000万円の預貯金があることが分かりました。(※1)

■その後、遺言が発見されました。遺言の内容は「全財産を花子に相続させる」という内容でした。

 

問題1

小太郎は、遺留分を主張したいと思っています。遺留分により小太郎はいくらの遺産を受け取ることが出来るでしょうか。

 

小太郎は亡くなった次郎からみて【子】となりますので、遺留分を主張できます。また、遺留分により主張できる割合は…

 

となります。

 


■まいぷれ次郎は平成29年10月に亡くなりました。相続人は【兄の太郎】です。

■まいぷれ次郎の財産を調べてみると、1,000万円の預貯金があることが分かりました。(※1)

■その後、遺言が発見されました。遺言の内容は「全財産を友人の長野健太に遺贈(※2)する」という内容でした。

 

問題3

太郎は、遺留分を主張したいと思っています。遺留分により太郎はいくらの遺産を受け取ることができるでしょうか

 

太郎は亡くなった次郎からみて【兄】となります。兄弟姉妹は遺留分を主張できませんので、太郎は遺留分をそもそも主張できません

 


■まいぷれ次郎は平成29年10月に亡くなりました。相続人は【妻の花子】【子の小太郎】です。

■まいぷれ次郎の財産を調べてみると、1,000万円の預貯金があることが分かりました。(※1)

■その後、遺言が発見されました。遺言の内容は「全財産を花子に相続させる」という内容でした。

  

問題2

小太郎は遺留分を主張するために、当該請求を花子へ手紙を送って請求しました。この場合でも遺留分の主張は有効でしょうか?

 

【問題2】遺留分の主張の仕方は

 

自己の遺留分を請求することを遺留分減殺請求と言いますが、この遺留分減殺請求には決められた方式はありません。すなわち、本問のように手紙を送って請求する方法でも構いません。  

ただし、遺留分減殺請求をする権利は「相続の開始及び減殺すべき贈与・遺贈があったことを知ったときから1年間行わないとき」又は「相続開始から10年経過したとき」は、消滅してしまいます(民法1042条)。

すなわち、遺留分が請求できそうなことを知っていたのに1年間何もしなかったり、相続開始から10年が経過した場合は、遺留分を主張できなくなってしまうのです

 

いつ遺留分を主張したのか、ということは大変重要なので、実務上は内容証明郵便を使い、遺留分減殺請求を行うことが一般的です。

 

最後に1点。遺留分を侵害した遺言を残していても、侵害された相続人が遺留分を主張しなければ、その遺言のとおり相続が行われます。事前にご家族へご自身の思いをしっかり伝えておき、ご家族の皆さんがその思いを理解することが、1番の相続対策なのかもしれません。

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