地元暮らしをちょっぴり楽しくするようなオリジナル情報なら、長野の地域情報サイト「まいぷれ」!
文字サイズ文字を小さくする文字を大きくする

長野の地域情報サイト「まいぷれ」長野市

まいぷれ長野の少し役立つコラム

こども食堂のおばちゃんのコラム

金子みすゞの世界 ~お空~

画像:バチュリガ/イラストAC

4月にこのコラムで、幻の童謡詩人と言われた金子みすゞの詩を紹介しました(→木と草と土 そして 子どもたち ~金子みすゞの世界~)。今回もう少し彼女の詩の世界を覗いてみたいと思います。今回紹介するのは「空」がテーマです。

【日の光】

おてんとうさまのお使いが、そろって空をたちました。

みちで出逢ってみなみ風、なにしにゆくの、と聞ました。

ひとりのお使い言いました、「ひかりの粉を地に撒くの、みんながお仕事出来るよう。」

ひとりは本当に嬉しそう「私はお花を咲かせるの、世界をたのしくするために」

ひとりのお使いやさしい子、「私は清いたましいの、反り橋かけるのよ」

残ったひとりは寂しそう、「私は、影をつくるため、やっぱり一しょに参ります」

最後の1行だけ読むと、なんだか悲しくなりませんか?

光と影は常に表裏一体のもの。光は華やかで皆からチヤホヤされ、歓迎される。影は暗く光の背後にひっそりと佇むものというイメージがあります。でも、影はとっても大事。残念ながらそれに気づくことはあまり多くありません。でも必ずなくてはならないものです。当たり前の事なのに、何故私たちは影を忘れてしまうのでしょうか。影はいつも裏で肩身が狭い思いをしているようです。

 

影は悪いことでも、恥ずべき事でも決してありません。小さい時、影踏み遊びをしたことありませんか?太陽が燦燦と照る中で、友だちの影を踏む遊びです。踏まれたくなくてキャーキャー言いながら逃げ回る。影は主役です。曇りの日や雨の日に影は有りませんから、影踏み遊びはできません。誰にもできて、誰とでも遊べる楽しい遊びです。道具は何もなくて大丈夫。とってもシンプルな遊びです。

 

「日の光」の最後のフレーズ、影は寂しくなんかないんだよ。だって、子どもの遊びで皆楽しく走り回っているじゃないか、だから胸を張って光と一緒に行こうよ、と言っているような気がしてなりません。

 

もし自分に自信がない、自分は影のような存在と感じてしまうことがあるとすれば、ちょっと視点を変えてみませんか?影は決して裏だけではないのですから。ちなみに、影踏みと言う遊びは古くからあり、明治30年代までは月あかりの夜に行われることが多かったそうです(→Wikipediaより)。100年以上の昔から、子どもたちの遊びだったんですね。

【夜ふけの空】

人と、草木のねむるとき、空はほんとにいそがしい

星のひかりはひとつずつ、きれいな夢を背に負い、みんなのお床へとどけよと、

ちらちらお空をとび交うし、露姫様は明けぬまに、町の露台のお花にも

お山のおくの下葉にも、残らず露を配ろうと、銀のお馬車をいそがせる。

花と、子どものねむるとき、空はほんとにいそがしい。

空がいそがしい、なんて考えた事ありませんでした、大人になってからは。空には、青空、雨空、梅雨空、夜空、星空といっぱい言葉があります。その時々で変幻自在。人と草花が眠っていてもお空は眠ることなく、ずっと自然の営みを見続けている。空っていつ眠るのかな?そんな小さな不思議に優しく答えてくれる。

 

子どもの頃、良く空を眺めていたことを思い出しました。「雨はお空の涙だよ」と絵本で読んだことがあります。悲しいのかな?嬉しいのかな?感動したのかな?

童謡「あめふり」では、「あめあめ ふれふれ かあさんが じゃのめでおむかえうれしいな ピッチピッチ チャップチャップ ランランラン」、お空が雨を降らせてくれて、母さんがお迎えに来てくれる、それがとっても嬉しい。明治~昭和の時代はこんな風景がありました。これは大正14年、北原白秋の作詞、中山晋平の作曲です。中山晋平は中野市出身。中山晋平の幼少期の北信濃の情景が音になった作品とも言えるかもしれません。長野にとって縁の深い童謡ですね。

 

いつも空は自然と一体になって私たちを見守ってくれている。空は何万年も前からずっと変わらず私たちに様々な感動をプレゼントしてくれる。だからお空はいそがしいのかな?空を見上げて深呼吸すると、気持ちが晴れやかになることってありませんか?

金子みすゞ(→Wikipedia

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

長野市で中高生・若者(10代)を対象としたこども食堂を運営しています。

こども食堂への疑問・質問を受け付けていますのでお気軽にどうぞ♪


こども食堂への質問はこちらから♪

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

輪っと集まれ!中高生・若者ほっとキッチン・無料学習塾

こども食堂(中高生・若者対象)

子どもも大人も思わずニコッ! 食事には不思議な力があるんです

長野市南県町688-2 長野県連合婦人会館2階(事務局)

この記事に関するキーワード

PICK UP 長野のお店 ~学ぶ・スクール~