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こども食堂のおばちゃんのコラム

全国のこども食堂 ~コロナ禍でどんな活動をしているのかな?

〈全国こども食堂支援センターむすびえ 第4回アンケート結果から見えること〉

画像:イラストAC

全国こども食堂支援センターむすびえでは、2021年2月1日~10日第4回目のアンケート調査を実施し、この度その結果が公表されました。33都道府県343件の回答がありました。前回9月20日~28日では、706件(複数回答含)の回答数でしたから、約半数になってしまいました。長野県では3件です(県内食堂総数155件)

 

以下、気になる項目を選び報告します。

第1番目はこども食堂の開催状況についてです。

「これまで通り皆で一緒に食べる」と答えた食堂はわずか6.1%。人数制限や屋外開催に切り替えた食堂を合わせると11.9%。これまでのアンケートで最も低い数字になりました。この1年でコロナの子どもへの感染は低いと判明しているにも関わらず、です。むしろ開催する側のコロナ疲れによるものかも知れません。

 

今回のアンケートで1番多かった活動は、「食材配布と弁当配布(取りに来てもらう)」といった複数の活動で35.9%でした。前回は同じ設問で11.9%でしたから約3倍に伸びました。また、「食材や弁当の宅配」が、前々回(6月)21.9%・前回(9月)11.2%・今回3.5%になり、宅配が大幅に減少しました。これは人手と資金不足が影響していると思われます。コロナが長引き、いつ収束するか検討がつかない現状で、人や資金がジリ貧になるのは必然かも知れません。何よりも危惧することは、スタッフ・ボランティアの皆さんのモチベーションが維持できなくなってきているような気がしていることです。

 

2番目は「活動の延期または休止」についてです。

「活動の休止・延期」と答えた件数は10%。前回(9月)は3.6%ですから、2.5倍に増えています。こども食堂を休止にした理由について、1番多い回答は「感染防止の対応が難しい」でした。実に74.2%です。2番目に多い理由は「活動場所の利用ができない(閉館または制限あり)。自治体からの自粛・中止要請」が挙げられています。活動再開予定が立っていないと答えた食堂が50.7%。前回(9月)は48%、前々回(6月)は38.7%ですから、徐々に増えてきています。

 

3番目に「こども食堂開催にあたっての困りごと」です。

「必要な人に支援が届けられないこと」、「感染拡大と防止の対応」が50%以上でした(複数回答)。中でも最も多い回答が、「必要としている家庭(貧困家庭等)に届けられていない」が23%、次が「感染防止対策」で20.4%でした。数字的には少ないのですが、「参加者への関わり方、トラブル対応」が5%前後ありました。こども食堂数が増えることで、参加者との関わり方にも苦慮する食堂が出てきていることが気になりました。2012年初めて「こども食堂」と言う名前が登場してから9年。全国で4,960ヵ所(2021年2月現在)に上り、様々な形態で展開しています。「こども食堂」という一言で括れなくなってきたのかも知れません。

 

4番目に「あなたにとってこども食堂とは?」という設問の回答に、「地域」と「居場所」という言葉が多く使用されたそうです。「子ども」と言う言葉は3番目。これはちょっと意外でした。先にも述べましたが、こども食堂と大括りしているけど、実はもっと裾野の広い地域全体を巻き込んだ行事になっているのかも知れません。以下が回答から得られた運営者の想いです。

1.子どもだけでなく様々な世代の人が交流できる場所

2.運営側も利用者側も地域の居場所と感じている

3.子どもだけでなくお年寄りとの多世代交流の場

4.食事は心を豊かにすると考えている

5.定年退職後の私にとっての生きがい

実に様々な意見や想いが込められている言葉ばかりです。

 

最後に自由筆記で気になった意見をご紹介します。

 

「会食で参加していた子どもが、配食では参加しないこと」と困りごとに記載した食堂がありました。実はほっとキッチンでは逆のことが起こりました。会食ではたまにしか参加しなかった家庭がフードパントリーと弁当配布に切り替えたところ、毎回参加申し込みをするようになったのです。またその延長線上で複数の家庭へも食材を配布するようになりました。別の関係者からの申し込みもあり、これまで繋がることがなかった複数の家庭への食材配布も始まりました。会食はできなくなりましたが、新たな出会いがあったことは特筆しておきたいと思います。そしてこの新しい出会いを大切に、フードパントリーと弁当配布を可能な限り続けて行きたいと思います。資金面とボランティアスタッフをどのように工夫すれば続けられるのか、今後の課題です。

 

「会食と配食」については多分、こども食堂の認識が参加者によって違うのだと思います。楽しく皆で集まって食事をする場所だから参加したい、配食で家で食べるだけなら必要ないと考える家庭。逆に決められ時間に行って食べることは困難だが、家で自由に食べられるなら有難いと考える家庭。家庭の事情により様々でいいと思います。要は子どもたちが笑顔でご飯が食べられることが共通していれば、どちらでも有りだと思います。

 

最近の発表でコロナの変異株が徐々に増えています。この変異株は子どもへの広がりが従来のものより高く、大人への感染力とあまり変わらないと言われています。この変異株が全国的に広がっていけば、ますますこども食堂の開催が危ぶまれてきます。再開どころか休止の食堂が増加していくでしょう。学校の休校も再び視野に入ってくるかも知れません。我々の出来ることには限度があります。早く収束することを祈るしかない状態で、歯がゆくてなりません。休止は何とか阻止し、地道に続けるしかないですが、子どもたちの笑顔だけが我々の寄りどころです。

 

1日も早く、全てのこども食堂が「通常通り開催」となりますように!

 

最後に、このアンケートを実施した、全国こども食堂支援センターむすびえの理事長 湯浅誠氏のこども食堂について、こんなコメントを掲載しています。

「地域食堂、みんなの家などという名称にかかわらず、子どもが一人でも安心して来られる無料

または低額の食堂。「子どもの貧困対策」と「地域交流拠点」の2つの大きな軸があり、制度の

裏付けはないが、箇所数は4,960(2020.12発表。むすびえ、地域ネットワーク団体調べ)あるこ

とが明らかになっている(参考:全国の小学校は約2万校、中学校は約1万校、児童館は4,000

か所)。こども食堂の認知は8割を超えている一方で、実際に行ったことある子どもは1割に満

たないこともわかっている。

 

コロナ禍では「居場所」としての開催はできなくても、日頃からのつながりをいかし、食材や弁

当等を配布するフードパントリー等の活動を行ない、子どもたちの健やかな成長をやさしく見守

る地域活動として、全国にその様子は報道された」

(以上 こども食堂の現状&困りごとアンケ―ト 最新調査結果より)

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