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まいぷれ長野の少し役立つコラム

こども食堂のおばちゃんのコラム

虐待された子、大人になったらこうなった
元虐待児が語る「その時」から今まで

北信こども食堂ネットワークでは、年2回勉強会を行っています。11月5日に第5回目の勉強会を開催しました。今回は、幼少時義父から虐待を受けた経験のある方を講師にお招きし、「当時と今」を語っていただきました。

 

淡々とした口調でお話していただいた経験は、聞く者にとって胸がとても痛むものでした。決して感情に流されることなく静かに事実を語る、その場の雰囲気は心にズシンと重いものがのしかかってきたようでした。

実父との別れのかすかな記憶。そして義父との生活。虐待が日常茶飯事となっていく様子。義父にとって実子である妹・弟が生まれても、虐待は自分にだけ向けられたという事実。それは暴力だけでなく、存在の無視という虐待でもあったと言います。例えばヨーグルトを買ってきても、弟妹の分だけでいつも自分の分はない。小さな子供にとって、親による存在の無視は何物にも耐えがたいものだっただろうと推測されます。小さな子どもが隅でうずくまり、恐怖と絶望に震えている様子が想像され、聞く側も心が壊れそうな気持になりました。

 

魚の食べ方が悪いと言って殴られる。だから魚が大嫌いになった。小学校5年生の時、母方の祖父母のもとに預けられ、イワシが出され恐る恐る食べてみたら、魚ってこんなにおいしかったんだと実感し、祖母がその様子を見て泣き崩れたという話。祖父母からもらった無償の深い愛情。

 

虐待を受けても家を出るという選択肢は考えられなかったと言います。もし失敗したら殺されるかもしれないという恐怖感。一歩間違えば命に関わる問題です。そんな中でも、妹弟からは兄と慕われ仲が良かったのがわずかな救いだったのでしょうか。

 

虐待から逃れるため小学校5年生で祖父母に預けられても、精神的に不安定で自信がなく、自分が嫌いだったと言います。そんな中で成長し、ある場所で知り合った怪しげな外国人に「君の存在そのものが好きだ」と言われ、その言葉だけで生きていけると思ったと語ってくれました。

 

そんな話の中で、虐待を受けている子を保護するだけでは不十分で、その子の存在すべてを受け入れるという大人からの愛情と声がけがとても重要だと指摘してくださいました。

 

講演最後に「未来によって過去は変えられる」という言葉が紹介されました。この言葉がとても好きだそうです。

終了後、辛い体験を思い起こさせてしまったのでは?と伺ったところ、今は自分の中で処理できているから大丈夫との力強い言葉が返ってきました。そして今義父との関係は?という問いに「大人になってから義父が謝ってくれた。今30代後半となり家庭を持ち父親となり、また社会人として男として会話ができるようになった」ということでした。最後に「虐待は絶対あってはならないこと。自分の経験から、今まさに苦しんでいる子どもたちのために行動を起こしていきたい」という逞しい言葉を聞くことができました。

 

実際に経験された方のお話を聴く機会はめったにないと思います。私たちこども食堂を運営していく者として、一言一言をかみ締め、今後子供たちへの気配り・目配り・声がけに細心の注意を払っていかなければならないと、強く深く心に刻み込みました。私たちの一言が子どもたちの心を溶かすことが出来たら、なんて素敵でしょう。そんな魔法の言葉、これから一生懸命探していかねばなりませんね!!

 

3歳ごろ。「助けを求められない子にこそ手を差し伸べたい」そんな正義の味方にずっとなりたかった(講演会内で使用された写真より)

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